集英社文庫<br> 葬女

集英社文庫
葬女

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  • サイズ 文庫判/ページ数 207p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087500882
  • NDC分類 913.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

shizuka

51
葬儀屋を営む女。そこを訪れる弔う人々。ある葬儀が申し込まれる。遺体は赤ん坊だったり、心中した姉妹だったり、年頃の娘を残し逝った母親だったり。葬儀屋の女は女性らしい気遣いで葬式をする。葬式までの流れは実に淡々としている。そしてその後なぜ死んだのか真相が明らかにされる。赤ん坊がなぜ死んだのか。姉妹はどのように死んだのか。この葬儀屋に持ち込まれる依頼はどれも痛々しくて切ない。死者の背景が暗く悲しい。弔いの様子と死者の物語は別々だ。別々の話が死者を介して一つになり、最後、読者が物語に釘を打ち冥土へ送り出す。2016/08/31

ぼちぼちいこか

21
死んだ夫の葬儀屋を継いで営んでいる女社長。好きで始めたわけではない仕事。若い男性従業員の二人だけの小さな葬儀屋に舞い込んでくる葬儀の数々。死んだ人と残された遺族の人間模様がオムニバスで書かれている。女性作家ならではの話の展開だと思う。最初の「星くず」では赤ちゃんのしぐさがリアルすぎて読むのがつらかった。さすが津村節子。2021/12/04

はるまさ

4
薄い文庫本なのに内容はとても重い。一話読むごとに心にずっしり来て、いろいろ考えて深くため息をつきたくなってしまう。小さな葬儀屋を営む女主人・秋江のもとに様々な葬儀の依頼がくる事から始まる物語の連作短編集。葬儀の「主人公」たるべき「仏」達は、皆それぞれに「ワケあり」な事情を抱えている。「人が死ぬ」という出来事を通して観た「生者」の世界…嫉妬、愛憎、執着、傲慢、エゴイズム…黒い感情に振り回されながらも人間は生きている。でも、そういう真っ黒な感情も含め、人の「生きる」エネルギーなんだろうなーと漠然と感じた。 2014/03/13

あ げ こ

2
葬儀屋である亡き夫の跡を継いだ女主人の秋江。従業員は献身的に彼女を支える民次という若い青年のみ。数々の葬儀、死者と弔う側の者たちとの繋がりを通じて見えるのは、人間が無意識に抱える残酷さ。死者との繋がりが希薄であれば悲しみと憤りを覚えるが、同時に生ある者の残酷さと身勝手さは酷く身近に存在するもののように思え、ぞっとした。身に覚えのある狡猾さが胸を抉る。だが秋江の見せる優しさは好ましい。生への執着、死者と接する上での動揺。『遍路みち』をはじめ、津村節子の作品に多く見受けられる死生観。2013/04/07

Gen Kato

1
「星くず」「鈍色の青春」「二人だけの旅」「北の海」「宵寒」と、5つの葬式の物語が進むにつれ、小さな葬儀社の経営者である主人公秋江と従業員民次の関係が少しずつ語られていく。解説者は「やさしさ」だというが、この作品中で繰り広げられる葛藤ののちの女たちの身の処し方は、それぞれの「節度」の表明だと思う。(ゆえに「星くず」の子守娘や「北の海」の若子のような少女たちはまだ動物的にナマなので、それがない)秋江と民次の関係も哀しいが、とくに「二人だけの旅」の姉妹がたまらない。2014/06/12

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