集英社文庫<br> 残像

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集英社文庫
残像

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  • サイズ 文庫判/ページ数 546p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784087500776
  • NDC分類 913.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メルト

28
主人公の兄が妊娠させた女性が自殺し、それに揺れる二つの家庭を描いた作品。圧巻のストーリーで読む手を離させなかった。そして、それ以上に考えさせられた。だって、兄弟というのは、同じ親から産まれたというだけで、考えも容姿も違う別人なはずだ。しかし、その内の一人が罪を犯したならば、兄弟も同様に恨まれることになる。たとえこの物語のように性格が真反対だったとしてもだ。これが気になったのは、もちろん、僕に姉と弟がいるということもあるだろう。でも、それでも不条理ではあると思った。家族というものを、考え直したくなった。2018/08/11

みりん

16
自己中心的で傲慢な人は反省も後悔もせずに、好き勝手に生きていけて、守るべきものがある人のほうが苦しむものなのかもしれない。強欲で冷酷な兄をもつ家族の話。同じ環境に育っても千差万別に育つところが不思議だなあ。生まれ持っての性質というものが永遠に変えられないとしたら、そんな性質を受け継いでしまった栄介(兄)も可哀相なのかもしれない。いや家族の方が可哀相か。眉間に皺を寄せながらも一気読み。おもしろかった!2010/12/18

ゆーこりん

10
三浦綾子さんの小説はすごい!と改めて思った。ストーリーは他に類を見ない。勧善懲悪でないところがかえってリアルだ。憎むべき奴がこれでもかこれでもかと悪事を繰り返す。悪運も強いから事故にあっても一命を取り留める。それでも全く心を入れ替えない。周りの人間だけが傷つき苦悩する。体面だけを考え保身する父。成育歴の影響からか冷淡で無感動な母。そして「家庭の崩壊」。また、この本でも「罪」というものについて問題提起される。家庭、家族というものを今一度見つめ直したくなる問題作。2014/01/29

バーベナ

8
悪意が飛び交う家。そのなかで唯一『善』を体現しているのが長女:弘子。彼女に不幸が襲い掛からぬよう、祈りながら読んでしまう。『悪』の権化は長男:栄介。そんな発想って、そんな陥れ方って、どうして思いつくのさ!と唖然としてしまう。凄い。2015/08/31

gurisan

4
★★★★★ 久しぶり、ぐっと読み応えのある本。ぐんぐん物語に引き込まれ、時を忘れた。心ない兄に振り回される弘子たち一家。家族って兄妹って・・・愛せない人、憎むべき人とどこまで共に歩めるか。深いテーマがある。そして、崩壊。ひとつの染みからすべてが台無しになる。そして、その染みはだれの心にもある。いたたまれないほど。2010/12/02

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