内容説明
江戸幕府を翻弄した天下の大盗賊・日本左衛門。狙う相手は金持ちばかり。庶民に金をまくので、義賊という評判もたつ。従うは一騎当千の若者たち。弁天小僧菊之助、南郷力丸、赤星十三郎、忠信利平。これが世間に名だたる白波五人男だ。お上に楯つき、お尋ね者となった男たちの運命はいかに?この小説は、ある日、何を思ったか日本左衛門が、自首してしまったところから始まる。
感想・レビュー
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hirayama46
6
忍法帖以前に書かれた、江戸時代の泥棒たちを描いた連作短編集。作風としてはのちの明治ものにやや近い感じでしょうか。歌舞伎について詳しければもっと楽しめたのだろうか……。2020/03/31
まりこ
1
南郷力丸を就寝前に読んだ。エログロで気持ち悪く、眠りが浅くなってしまった。他の章はそれほどでもなく、愛が哀しい。作者の顔写真と、暴力的なエログロの描写が結びつかず、不思議な感じ。2013/12/20
isaribi11
1
山田風太郎の隠れた名作。震えるほど面白い。忍法帖前夜に描かれた豪華絢爛悪風太郎歌舞伎だ。 天下を揺るがした盗賊団の頭目、日本左衛門が捕まるところから始まる人を喰ったストーリー。歌舞伎では「盗みはすれど、非道はせず」だそうだが、こちらは「盗んでさらに非道三昧」だ。さらには捕まえるお上も非道で正に非道天国…いや地獄。 頭目+四天王の名を冠した5帖からなり怒涛の第一帖、驚愕の二帖、烈火の三帖、哀切の四帖、余韻の五帖と飽きさせない。風太郎ファンなら探して読むべし。 マンガばえするのでせがわ氏に漫画化してほしい2013/05/16
辺野錠
0
他の山風の短編連作ものと比べるとラストに信じられない展開が!って感じじゃないけど最後の一人残ってしまった生き残りの話はグッと来る。2010/09/27
梟
0
皆川博子の「猫舌男爵」で山田風太郎を知った直後、古本屋で発見。青砥稿花紅彩画を知っている分、パロディーを楽しむことが出来た。芝居の白浪五人男に比べるとヒーロー性は落ち、より盗賊的なキャラクターとして描かれている。出来ることなら、赤星はもう少し女性的に描いてほしかった。しかし、それでも十分面白い。初・山田風太郎だったが、とても楽しい読書だった。