内容説明
学生時代につきあった女友達の酒場を２０年後に訪ねてホロ苦い思いを味わう男の気持ち（百円ライター）。マニュアルなしには何もできない新入社員の真摯で初々しい恋心を讃える（借りたハンカチ）。義足をつけた娘とイタリア青年との交際を、ハラハラ見まもるコミカルな父親の姿（花束）。契約書、印鑑、ローソク、指輪。日常の中の「物」たちを通して鮮やかに浮かぶ、明るい無常感に満ちた２１の人生の悲喜劇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
58
人生のおかしみとかなしみを、短篇の中に凝縮している。すべての作品において、人間への深い洞察がある。どんな年代の主人公においても。2018/03/09
あられ
1
まるでアルバムをめくっているように、小さな話を楽しんだ。目に留めなければ流れていってしまうような小さな風景が愛おしい。どれもこれも見出しだけみたいだが、既視感があり、居心地が良かった。他の本も読んでみようと思う。2020/11/08
Yossarian
0
一本一本が短すぎて、著者の個性が出し切れていないようにも見えてしまう。
