内容説明
思えば私の生き方はいつでもはからいの外の何かにうながされて突如の行動をくり返してきた―。徳島での少女時代。短い結婚生活。夫も子も捨てての恋。作家・瀬戸内晴美の誕生の頃。衝撃の得度の日。出離後の精力的な活動―。つねに生命の完全燃焼と全き魂の自由を求め続ける、愛と情熱の人・瀬戸内寂聴。その出生から現在までの行動と内面のドラマを、自身のエッセイでたどるドキュメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Cinejazz
4
瀬戸内晴美(戸籍名)が、二人姉妹の妹として徳島市に生まれた大正14年から、湾岸戦争での被害者の冥福と鎮魂を祈り、早期終結を願い断食祈祷を行った69歳(平成3年)までの行動と思索を、自身のエッセイで赤裸々に語ったドユメントです。〝私はこの世の快楽のあれこれに堪能した・・これから何年生きるかも知れないが、いつ死んでも悔いのないようにその日その日を十二分に充実させて生きること・・私の黒髪の供養のためにも、自分でも許せる小説を書き続けなければならないと思っている〟(昭和48年11月に得度、寂聴尼となった翌月記)2020/11/27
バーベナ
2
全て今までのエッセイから著者の来た道をたどっている。作品もエッセイも多作だからこそできる業。本人も言うように、サービス精神が旺盛。そして、とってもお茶目な人なんだな・・・と思い、好きになった。2011/01/07