内容説明
世界中のオイル・マンから“ザ・ギャンブラー”と恐れられた一人の日本人。生涯の恩人・槇原との出会いによって浮浪児から這いあがり、一大石油帝国建設を夢みる佐伯剛。UCLA時代の親友で、軍人を志願したマイクと、祖国イスラエル防衛に生命を棒げるサイモン。オイルに自らの人生を託すフエインシュタイン。佐伯をめぐるさまざまな人間たちの出会いと友情を、かってないスケールで描く国際ノンフィクション・ノベル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
taku
24
タイトルが格好いい。が、中身はもっと格好いい。オイルビジネス、世界規模のギャンブルで勝ち上がる男の栄光と敗北、そして復活。エネルギッシュでアグレッシブな佐伯はある意味スーパーマン。その活躍が頼もしい。個性的な脇役達も光ってる。男達の信頼と信念、でっけえスケールの巧みな筋立てに心が躍る。石油噴出の臨場感溢れる場面には、ただただ感激。細けえコトなんて置き去りにしてくれるパワーが満ちてる。2017/09/06
マッピー
17
ノンフィクション・ノベルとはこれ如何に?どうも作者が作家になる前に石油業界で長らく働いていたところから、結構事実に即してもいる小説ということでしょうか。展開が早いし、敵味方がはっきりしているので、読みやすいし楽しい。伏線もめっちゃわかりやすくて、全然隠れてないんだけど、それも良しとしよう。ただ、主人公の佐伯を引き取って育ててくれた槙原が病に倒れたあとがいけない。プロットにちょっと難があるけれど、ストーリーは面白くて、2日かかるかと思われた本書を1日で読んでしまった。2023/11/06
デビっちん
11
石油とはバクチ。オイル・マン佐伯剛が石油売買を通じて成り上がるビジネス小説。単なるお金稼ぎではない生き甲斐としてのビジネスとは何かを教えてもらいました。賭博はムード、ムードがシックリと自分のハダに合って初めて勝負に全力を注げるようです。バクチは裏づけのデータ、匂い、そしてタイミングがそろって初めて成功するのかなと感じました。一気読みしてしまえた面白い小説でした。2016/03/12
Masa
5
最近、出光興産をモデルにした「海賊と呼ばれた男」が本屋大賞をとりベストセラーとなっていますが、同じオイルをテーマにした小説ならこっちが好きかな。初めて読んだのは1988年、高校生の時でした。それ以来数え切れないほど再読を重ねてきましたが、やはり今回読んでも面白かった。著者の諸方面での取材の集大成ともいえるこの作品、時には手に汗握り時には涙し、まるでハリウッドのローラーコースタームービーを観ているみたい。主人公の佐伯剛は、すべての男の子の憧れですね。2013/07/20
もずく酢
3
石油の採掘ビジネスについて全く知らなかったので、とても面白かった。 どんなビジネスも、成就するまでの泥臭い努力があり、最後に奇跡が起こるのかもしれない。 奇跡を知っている人は、どんなにつらい事も我慢できるのかもしれない。2018/09/21