集英社文庫<br> 艦と人―海軍造船官8百名の死闘

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集英社文庫
艦と人―海軍造船官8百名の死闘

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  • サイズ 文庫判/ページ数 324p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087491234
  • NDC分類 916

内容説明

第二次大戦中、海戦の勝敗を決めたのは用兵者の戦術だけではない。空母をはじめ巡洋艦、駆逐艦などの建艦技術の競争も熾烈な、もう一つの戦場だった。建艦に従事した福田烈海軍技術中将に率いられた造船官はいかに戦ったか?苦悩のなかで技術革新をやりとげた歴史の陰のドラマを浮彫にするノンフィクション・ノベル。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

33
記録文学。戦時中に福田烈海軍技術中将という方がおられ、卓越した技術を駆使し軍艦を建造されていった事を描き表している。日露戦争での軍艦は殆ど非国産。それから30年余りで技術革新を行い、世界一の軍艦を作り上げた訳だが、どのような過程があったのか知りたいと思っていたが、ここでもはっきりした事は不明。しかしワシントン軍縮条約により限定された中での改革は日本人が得意とする所なのだろう。鳳翔は空母として建造された世界初の航空母艦。電気溶接で作られた八重山など技術の結晶。続く→2019/02/15

リュウジ

8
★3 黎明期から終戦まで、海軍の戦う船たちはどのように作られたのか。それを作る側はもちろん、使う側との関係やアメリカとの考え方の差などを交えながら、問題点を抉り出していく。そこからみえるのは「不可能に挑戦する」使う現場を知らずに作るな」「技術を過信した商品企画はあり得ない」といった今に通じるモノづくりのあるべき姿。例えばミッドウエーの完敗は、戦術だけではなく沈まない船は考えていたが燃えない船をつくる発想はなかったこと。結局、零戦や酸素魚雷など優れたモノを開発できても「モノづくり哲学で米国に負けた」。 2019/06/30

鐵太郎

5
約30年ぶりに再読。福田烈という海軍造船中将にまで登った技術士官を中心に、用兵者の無理難題を粛々とこなしていった造船官たちの苦闘を描いたもの。技術的な視点に絞ってこの時代を描いた作品としては、前間孝則さんらの著作の先駆的なものですね。溶接という先駆的な技術をなんとかものにしようとした福田さんは、戦後も誇り高い頑固親父として造船界を支えたそうな。2016/04/26

東森久利斗

3
大和魂的エンジニア視点による大日本帝国海軍の艦船と造船技術にまつわる苦労話の歴史、技術革新のスペック。艦と人との宿縁、日本人固有の職人気質、執念や執着、狂熱、驕り、バルチック艦隊との日本海海戦勝利の呪縛から逃れられなかった帝国海軍が、敗戦に突き進むに至る因子への考察や見解は曖昧な状態のまま、淡々と語られる艦船の話。ミリオタさん向き艦船の参考書。2019/04/04

ういきゃさん

2
海軍と言えば海上で戦う軍人さんしか浮かびませんが、当時、世界最高の造船技術を誇った、海軍造船技師に焦点を当てたノンフィクションです。造船技官の福田烈を通して戦後までの造船が語られます。

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