内容説明
今の世の中、腹立たしいことばかり―実年未亡人の静は、大勢の家族に囲まれ、気ままに暮らしている。しかし、娘の亭主は、大学教授の本職はそっちのけ、タレント活動に精を出し、孫娘は大学を中退して、アメリカ人の子供を産む。友達のお加代さんは、「あんたほど幸せな人はいない」と言うけれど…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
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1996年の発行だから、時代背景がポケベルで暗号数字を送ったりFAXの出がけだったり、無口な子供に電話がかかってきて呼び出したりと昔懐かしい。3歳のひ孫、17歳の双子の孫、24歳の結婚した孫、40代の実の娘、50代の娘婿、72歳の本人(大ばあちゃん)が、暮らす家。娘婿は大学教授で、広い敷地にちゃんと地代や建築費も出して6畳と8畳の続き間の離れを建て、のんびり暮らしている元気なおばあちゃん。登場人物の中でやはりこの人が一番うらやましい。子や孫に卑屈な遠慮をせず、好き放題に思ったことを言っているのがいいなあ。2021/08/26