内容説明
俺の求めているのは本物のブルースだ―。本当にやりたい音楽のために、売れ筋の人気バンドを解散し、ビル清掃のバイトで食いつなぐミュージシャン・武史。彼はある日、作家志望の生意気で美しい女子大生・操と出会う。決して妥協せず、理想を追いつづける苦悩の日々。そして烈しく求め合う愛の行方は…。芥川賞作家・花村万月が凛々しく描く青春音楽小説の傑作。
目次
そうだね
風に舞う
けっこう、いいよ
とらぶる、な人
ろいく、ろいき
まあまあ、かな
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タナー
10
萬月氏の作品はいつも、切ない、哀しい、そして美しい。 それほど厚さのない1冊ではあるが、花村萬月という作家の魅力がギッシリ詰め込まれている。ラスト10 ページほどは胸が熱くなり、読んでいて涙が出そうになった。また何年後かに再読するかもしれない。その前に、既読の萬月作品も再読してみたくなった。2017/06/26
方々亭
3
ブルースが好きで音楽をやってたところとか、窓ガラス清掃でブランコにぶら下がっていたりだとか、身に覚えがあるワードがあってニヤニヤした。風が強い日は、危ないからそもそもゴンドラ作業は中止にするけどな。こういう、青臭い男の衝動みたいなのを書かせたらこの人は本当に良い。2023/12/18
☆カジュ☆
3
青春。うん、青春。悩んでるってばれたくなくて、平気な顔してやり過ごす。そしてやりまくる。最後の台詞に痺れました。私。2014/03/14
hf
2
あっさりしている202109162013/11/17
zippo
2
初読み作家さん。序盤の窓拭きのバイトのくだりは辻内智貴の「青空のルーレット」を彷彿とさせた。話はバンド(音楽)活動にシフトしていき俄然面白さを増して行く。ブルースの事はさほど詳しく無いのですが作者の造詣の深さを感じる事ができた。 登場人物達に好感が持て、読後感の良い作品でした。2017/05/12