内容説明
春のニューヨークを震撼させた悪夢。アマチュア探偵ファイロ・ヴァンスが関わった事件の中で、最も陰惨にして奇怪、戦慄的なものといえば、間違いなくこの“僧正殺人事件”だろう…。「だあれが殺したコック・ロビン?『それは私』とスズメが言った」マザー・グースの歌詞をなぞるように進んで行く不条理な連続殺人。ヴァンスと犯人との鬼気迫る攻防―!乱歩がベスト3に選んだ「童謡殺人」の歴史的傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソルト佐藤
8
ヴァン・ダインは初読み。読んだこともないのに、なんだか懐かしい感。そう、これは新本格の初期の雰囲気。他の古典では牧歌的な部分を感じたけれど、これはそこはなく。なるほど、いわゆる本格ミステリの典型がここでできたのか。探偵の衒学趣味とか(笑 もっとも、こちらは本当の知識人が書いているので、幅広く、内容はさっぱり(笑 事件としては古典にありがちな前半はたるい。でも、容疑者がしぼられるたびに、そいつが殺されるシュチュエーションは二時間ドラマみたいで楽しい(笑2019/10/13
melonsoda
3
伝説的古典とはいえ、衒学的な描写、台詞の応酬が冗長でかなり辛い。クリスティ、クイーンの前に読んでおくべきでした。2024/06/27
来古
2
「黒死館殺人事件」でも感じたが、ペダントリーは自分には合わない気がする。あと、この動機であれだけの事件を起こすのは不自然ではないだろうか?2017/11/11
クロモリ
2
もったいないのは、数学の話が多用されているのに、その面白さが伝わらないで装飾に終始してしまっていること。ナイン・テイラーズの鐘鳴法みたいに愛をもって語って欲しかった。文系ですがわからないなりに熱意は伝わりますので。物語性の強いミステリーが好きな私にはもう一つですが、クリスティーっぽい作風が好きな人にはいいんじゃないでしょうか。ラストはいかにもアメリカ人らしい。2012/08/16
スズツキ
2
疲れた。登場人物たちはあのラストにもっと騒がないのかねぇ。2010/02/23