集英社文庫<br> 19分25秒

集英社文庫
19分25秒

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  • サイズ 文庫判/ページ数 238p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087487978
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

一周5キロのコースを片足に義足を付けロボットのごとく正確に、しかも驚くべき速さで歩く男。今の彼はオリンピック記録をも上回っているのだ。主人公はそんな彼に惹かれこのコースを19分25秒で競歩しようと挑戦を始める。このタイムこそは世界記録なのだ。第17回すばる文学賞受賞作品。他に早稲田文学新人賞受賞作品「テレフォン・バランス」など併収。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

48
19分25秒。競歩のトップ選手が5kmを「歩く」速度だそうである。恐らく世界で最も地味で、最も過酷なスポーツ。他者を一切遮断し己の為だけにひたすら歩く義足の男、そんな彼に魅惑され競歩の世界に足を踏み入れる主人公。いくらマイナーなスポーツとはいえ、世界記録を狙えるレベルの選手が市井に埋もれているとは思えないのだが、そうした点を除けばスピード感のある描写で、競歩の世界を楽しむことができた。★★★+2015/10/17

イースクラ

2
20数年ぶりに読み返した。小説も音楽と一緒でその頃の記憶蘇る。バブル崩壊後と言うのか95年前夜と言うのか、あの空気感。悪魔の羽のついた障害者。90年代に尖った身体障害者を書いた引間徹、改めて凄いと思った。この本、最初単行本で持ってたけど、文庫化した時に早稲田文学で読んで好きだったテレフォン・バランスも入ってたので買い直した。テレフォン~も好きな話し。2020/12/19

ルナ

2
孤独な男の物語。それに引き込まれていく主人公。孤独な人の視点に寄り添う小説がかなり好き。孤独な人は美しくて悲しい。こういう小説はたいていの場合、主人公の方がだんだん孤独になっていく。というか、孤独になる資質を抱えているから孤独な人を引き寄せてしまう。2020/06/27

空隼

2
最後の結末を端折ったな。もっとしっかり書けば面白い作品になったと思うが残念。2013/06/28

...

1
すごく素敵な表題作。3年経って、1キロ6分ペースで歩けるようになたのか。しかし、1キロ4分を切らなくてはいつまでも、男が歩いている時に後ろに感じる黒い男でしかない。『テレフォン・バランス』は安部公房っぽく、カフカっぽく。2015/09/27

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