内容説明
三重県の小島での「蚊の大群深夜襲撃事件」以来、蚊学追究の徒となった椎名誠。彼がつづる蚊のドキュメンタリーや短篇小説をはじめ、C・W・ニコルほか“蚊友”たちの「世界あちこち仰天蚊体験談」、蚊の川柳がテーマの蚊談会、蚊をめぐるエッセイ(奥本大三郎ほか)、蚊のつく人名・地名など「蚊データ」…etc.と、まさに蚊だらけ、読みながらカユくなる前代未聞の奇書!写真・図版・イラスト多数。
目次
蚊学ノ一(蚊学ノ序;ヤクーツク蚊攻め街道 ほか)
蚊学ノ二(蚊;蚊取線香物語 ほか)
蚊学ノ三(蚊談会―蚊の川柳・鑑賞と新釈;精密蚊図鑑 ほか)
蚊学ノ四(蚊鳥風月;蚊学ノ周辺 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
75
蚊にまつわるエッセイや、対談、蚊を題材にした短編や蚊取り線香について他。シベリアやアマゾン、アラスカの蚊の物凄さがよく伝わってくる。人の周りに人の形をして蚊に群がっている様子や、追いかけて来る蚊、蚊がいても日本の生まれてよかったと感じた。そして怖いのはマラリア。毎年何百万もの人がマラリアで亡くなっているという。完璧な特効薬や予防薬はまだないらしく、最後は体力があるかどうかということ。この猛暑で南方の蚊が日本に居を構えるのもそう遠い話ではな異様に思った。2025/07/16
ナハチガル
16
椎名さんのエッセイ『平安元年のハマダラアカイエ蚊』と短編小説『蚊』は一読の価値ある名作。前者の、話がどんどんそれて「カエルに生まれなくてよかった」という結論に至る考察はその本領が発揮されまくっているし、後者の、息苦しくなるような蚊の大群の描写は圧巻。同じような話が何度も出て来たり、本としては散漫な印象があるのが難か。最後にトリビアをまとめると、「強力ムヒ」がダジャレだとは気が付かなかった、子どもが蚊取線香一巻食べても中毒を起こす量にはならない、蚊取り線香はよく時限爆弾の発火装置に悪用されている。A-。2021/09/20
月世界旅行したい
16
地域によっては大量にわいて吸血量だけで動物を死にいたらしめる。蚊はここまで人を困らせているのにフィクションの世界ではそういったはなしはほとんどない不思議。2015/07/29
あび
5
蚊への愛(?)に満ちた不思議な一冊。本書を編集した椎名氏は子どものころ、蚊を飼っていたこともあったそうだ。すごい。自分が驚いた雑学としては、「日本国内に100種いる」「ピンク色が苦手」などなど。 我々の一番身近にいる虫でありながら、蚊について何も知らない人は多いのではないだろうか。本書を読んで蚊について知るのも楽しいかもしれない。2015/07/07
睦五郎
3
読むだけでかゆくなってくる。ちゃんと立ち読みすればよかったなあと思いつつも何度目かの再読。秋になるとなぜか読みたくなる。夏はなんとなく嫌。2011/09/25