内容説明
「ヒミコは殺された」という謎めいた言葉をのこして古代史研究家が密室で殺害された。犯人は誰か?動機は何か?トレジャー・ハンターである永源寺峻が、友人の殺人事件の真相に迫る。その鍵となるのは邪馬台国と卑弥呼。調査のため、峻は九州へと飛んだ。―古代史を包む謎のベールがはがされるとき、すべての真実が明らかになる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へロム
45
殺人事件をきっかけに、邪馬台国と卑弥呼の謎に迫る話です。著者の見解(逆説の日本史)に基づく説が展開されており、殺人事件のミステリーと絡めて面白く読めます。古代史に興味のある人にはオススメです。2013/11/05
とも
40
★★★★日本史最大とも言っていい謎の一つである邪馬台国と卑弥呼をメインテーマに派生的というには大きすぎる謎、例えば、天皇家と神話の関係や、世界の宗教との関わり、伊勢・出雲・宇佐神宮の設立の謎などを次々に解き明かしていく。 その方法は、通説やそれに対する他方面の説を土台に独自理論を展開する常套で安心感甚だしい。井沢作品には迷いがない。また常識とされていることについてもどんどんと反論する様は圧巻。いつかこの井沢説が立証される日がくるのか愉しみである。 2016/10/31
James Hayashi
22
ミステリーと古代史の2つを同時に楽しめる。敢えて言えば神話、密室殺人も。 「逆説の日本史」と被る内容だが、復習的でよかった。また邪馬台国の所在の一つの見解を窺える。2020/03/30
kagetrasama-aoi(葵・橘)
21
「トレジャー・ハンター永源寺峻」第二作目。今回は長編でした。タイトルにあるように“卑弥呼”についての蘊蓄が語られます。私はこの説、納得出来ました。(小説の世界ではあり!だと思いました。)真実子とは何となく続いている感じだし、峻の生い立ちも殆どわからなかったし。次作に期待します。殺人事件の解決は、新興宗教が重要なヒントになっていて、わかり難くて今一つだった気がします。2020/09/01
Kazuyuki Watanabe
4
古代邪馬台国の謎と殺人事件とをうまく絡ませた作品。日本史を読むと眠くなる私を最後まで読ませてくれました(^_^;)主人公の旅を辿ってみたいと思いました。著者の説なので、真偽のほどはわかりませんが、出雲大社の拝礼作法の、「二拝(礼)四拍手一拝(礼)」の理由を知り、驚きました。2013/10/10