内容説明
歴史上、つねに要害の地であった南京。水の都蘇州。中国近代史の中心上海。古くから文明が栄えた杭州。洞庭湖をはさむ湖南、湖北。国際貿易港として栄えた福建。山水の町桂林。中国の南の窓広州、バラエティに富んだ文明が重層して独特の文化を築いた中国の全体像を描く、歴史と旅の長篇紀行文。
目次
東(南京;蘇州そして揚州;上海;杭州)
南(江西の山とまち;湖南と湖北;福建;桂林・南寧;広州)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
42
中国の全体像を描く、歴史と旅の紀行文です。下巻です。読んでいて、つくづく中国の歴史は長く、様々なエピソードが溢れんばかりにあって、それにまつわる場所などが非常にたくさんある事が、読んでいて分かりました。著者である直木賞作家の陳舜臣先生の知識量の多さも、読んでいてヒシヒシと伝わってきます。しかし、陳先生らしく、平易な文体で記されていて読みやすかったです。特に、桂林は非常に絶景らしく、行ってみたいなと思いました。桂林は有名な場所ですけれども、様々な歴史のエピソードもある事も知る事が出来て勉強になりました。2016/04/21
ナハチガル
1
三分の二ほどで挫折。文章や内容の問題ではなく、中国の歴史は好きだが旅行記的な文学にほとんど興味が持てないことが原因。下巻から読み始めたことも敗因ではない。2015/05/03
中村禎史
0
上海から広州まで中国の主な都市について、古代から現代までの歴史を中心とした観光案内的エッセイ。呉越の戦い等春秋戦国の昔から、鑑真和尚の時代、更に太平天国等近代について、その街の景観に触れながら歴史を語る。諸葛孔明や関羽ゆかりの地も巡る。特に陳さんがよく研究されたと言う近代が詳しい。広州も上海も何度か訪れたけど、近現代の血腥い歴史の跡など、全く知らずに通り過ぎてしまったのが悔やまれる。陶淵明ゆかりの廬山なども、是非行ってみたい。2016/05/29
Nobuhiro Tsuji
0
陳先生の名ガイド。いつかゆっくり、江南を旅したい。2013/02/09
7kotae
0
下巻は東・南地方。この文庫本が出版された時、その前に最初に文章が書かれた時と比べれば、きっと変わったところが沢山あるだろう。けれど、悠久の歴史はずっとそこにある。鄭成功と烏龍茶の福建がお気に入り。全般に写真がもっと多ければなぁ…2012/09/03