内容説明
雑誌『YOU』に連載されて大反響を呼んだ、子ども虐待をテーマにした漫画『凍りついた瞳』。本書は、その漫画を読んだ“大人になった被虐待児たち”から寄せられた手紙集。生々しく綴られた子ども時代の苛酷な体験、現在の悩み。模索する未来。子ども虐待問題の現場に携わる専門家たちの寄稿も収録。増えつつある子ども虐待の現実を見つめ、親子関係の根源を問い直す、意欲的ノンフィクション。
目次
第1章 暴力と言葉による虐待
第2章 性的虐待
第3章 我が子への虐待(虐待の連鎖)
第4章 希望―虐待の傷を乗り越えて
第5章 子ども虐待をなくすために(寄稿)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみきーにゃ
15
《購入》最近良く耳にする”虐待”虐待を経験したことのある方の声がたくさん載ってて勉強になった。日本って先進国に比べて虐待に対する対応が遅れてるなあ~とつくづく思った。2013/12/04
るうるう
2
マンガ『凍りついた瞳』シリーズを再読し、この本を思い出した。収録されている被虐待児からの手紙を読み、虐待する側にもされる側にも多くの共通項があることを再認識する。ニンゲンの行為も反応も、何と似ていることか、悲しいよな。なお、子供の骨を折ったり性を犯したりと、そういう取り返しのつかない行為を、単に「虐待」と呼ぶことに疑問を感じてきた。これらは、大人が他人にやったら処罰される犯罪である。子供に対してはなぜ許されるのか? 私はそこがどうしても気にかかる。 2014/03/10
おかぴ
1
虐待の問題はとても難しいと感じる。自分の職的に関わることもあるんだろうけど、その時に自分はどう動けるのか。思っている事、理想、現実。その理想と現実のギャップに戸惑わず最良を尽くす事。それが本当に難しいとも感じる。2019/04/11
nightU。U*)。o○O
1
恐らく本文のほとんどを占める手紙を書いた被虐待者の幼年時代(4,50年前?)には、まだ虐待という言葉が浸透していなかったのではないか。伺い見るに、虐待から逃れられなかったのは周辺住人や学校での無理解もあったように思う。本文でさんざ言われていることだが「見えない空間」での出来事。それを暴き立てる数々の告白はとても感情の起伏に富んだものだ。一方後書きや寄稿に見られる被虐待者を社会的に保護しようとする人びとの文章は冷静で現実的である。この対照で初めて事の凄愴さを見る思い。2014/06/28
あさーのん
1
現状とか、実際とか、いろんな虐待を深くまで知れた。やっぱり、こういうこと勉強して、被虐待児と関わって生きたいな。文ちゃんありがとう、2011/12/03