内容説明
コンティネンタル探偵社の名無しの探偵オプは、ホテルの雇われ探偵となった。オプが急報をうけ、部屋に入ると戸棚の中から死体が倒れかかってくる。それも三体も―困難な捜査を続けるうち、ギャング同士の闘いに巻きこまれる(「雇われ探偵」)。ハードボイルド小説の祖ハメットが、ピンカートン探偵社の調査員時代に関わった事件をもとに書き上げたコンティネンタル・オプ物語傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
54
世界の名探偵コレクション第5弾。ハードボイルドの始祖ダシール・ハメット氏は、「マルタの鷹」のサム・スペードと本作のコンチネンタル・オプを生み出しました。マルタの鷹は三人称の客観描写で書かれており、全く心理描写のない冷徹な印象を受ける。対してコンチネンタル・オプは一人称で書かれていて、生々しく現実の犯罪を描いた様な印象を受けます。ハードボイルドは事件の謎を推理するよりは、言葉に表せない思いを行動で表す、その裏に隠されている人間心理を推理する物語、と私は理解している。本名が隠されているというのも洒落ている。2015/11/25
有沢翔治@文芸同人誌配布中
5
高校時代に読んだ本。低気圧か、寝不足か、思考がまとまらず、創作意欲も沸かないので再読。サム・スペードや『ガラスの鍵』に比べると心象描写が多め。スペードには頼みたくないけど、コンティネンタル・オプには頼みたい。もっとも個人名ではなくて、コンティネンタル社の調査員という意味なんだけど……。2021/08/14
YONEMARU@HD
1
目玉の「ターク街の家」「銀色の眼の女」は「コンチネンタル・オプの事件簿」と重複するし、それ以外は東京創元社の短編集で読めるしでスルーしてもいい本なんだけど、稲葉先生の訳だから、という理由で読む価値はある
言音 / 放置気味…。
0
『雇われ探偵』『新任保安官』『ターク街の家』『銀色の眼の女』収録。 面白くない訳じゃないんだけど…。 やっぱり、ハードボイルドは苦手。2006/10/30