内容説明
「九つまで満ち足りていて、十のうち一つだけしか不満がない時でさえ、人間はまずその不満を真っ先に口から出し、文句をいいつづけるものなのだ。自分を顧みてつくづくそう思う。なぜわたしたちは不満を後まわしにし、感謝すべきことを先に言わないのだろう。」愛とは、罪とは、そして、生きるとは、感謝とは何かを、著者の経験を通して、あなたに贈る人生の指針の書。
目次
1 自由に生きる幸せ(許すということ;豊かさの中の貧しさ ほか)
2 愛の重さ(無償の愛;愛を学ぶ ほか)
3 愛は忍ぶ(もはや二人にあらず一体なり;人の幸せを願う時に ほか)
4 罪に打ち勝つ道(罪なき者、先ず石を投げ打て;加害者としての自分 ほか)
5 淋しさに打ちひしがれたとき(あなたの若い日に…;死にたくなる時があっても ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろ☆
22
最近読んだ本の参考図書から。恥ずかしながら、著者の本を読んだことないので、氷点か塩狩峠、読んでみようと思う。自分で勝手に自分の未来を決めないで下さい。神の書かれるシナリオとあなたが書かれるシナリオは違う。クリスチャンのキリスト教の考え方にも興味がある。2014/09/16
テツ
19
クリスチャンとしての立場からの言葉が多めな三浦綾子さんのエッセイ。個人的には信仰で救われることはないと確信しているし、ありとあらゆる神の存在も信じちゃいないが、心の中にそうした拠り所がある方の言葉に感じ入ることは多々あり、こちらからも忘れずにいたいと思う言葉をたくさん受け取れた。どんな間柄でも、どんな状況でも「許すこと」を考慮し、それを選択できる強さを手放さずにいたい。彼女のように信仰という強さがなくても、それをすることで全てが善くなると確信して貫ける意志の力があればきっとできるだろう。2022/06/13
みんにゃりん
17
宗教的なことが多いので、それだけで嫌悪する方も多いかもしれないけれど、宗教抜きにしても、人として大事なことが多く散りばめられている本だと思う。何年かに一度でも再読して自分を見つめ直すきっかけにしたいと思った。2014/09/02
ともふく
13
心底自戒させられる本だ。自分は正しいと思い、人に不平・不満ばかり持っている。その事を指摘され、ガツンと頭をはたかれた気分です。そして、無償の愛とは何たるかも深く印象に残りました。人に優しいようでいて、本当は自分のため。それが全て悪いわけではないですが、真の無償の愛とは、沈みゆく船の中で、自分の救命胴衣を見ず知らずの若者に何の惜しげも無く譲れる境地。とても自分にはできない。自分を振り返るために定期的に読みたい本になりました。2019/10/31
スナフキン
10
三浦綾子さんが悩んでいる人に向けて書いたエッセー集。著者の市井の人々に向ける眼差しは優しい。でも、始めからそうだった訳ではなく、数々の出会いを通して、成長なさったようだ。私も聖書を読みたくなった。教会にも行きたい。2023/09/12