内容説明
東西冷戦の一方の雄、ソ連邦が崩壊して国際秩序は新たな段階に突入した―“20人の賢者”によって作成されたグランド・デザインに沿って、CIAは謎の秘密工作を開始した。密輸出されようとする旧ソ連邦の核兵器。そして、交錯する各国の思惑。舞台は武器商人たちが跳梁する街、ブリュッセル。誇り高く命を賭けて闘う者たちのドラマを熱くまた熱く謳い上げた長編国際情報小説、迫真の秀作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高橋 橘苑
6
時々、辛口の落合信彦が気になって読みたくなる。日本で普通に暮らしていると絶対に味わえない、カラダ中の血が逆流するような世界を体験させてくれるから。海外に出たこともなく、外国語も話せないのに世界の事が気になって仕方が無いのは、多分この人の影響だろう。「死の商人」と呼ばれる武器商人は言葉だけが先行するイメージしか無かったが、やはり自分が平和ボケした日本人だからそう思うのか。本書のラストはいかにもノビーらしく、アメリカらしくていい。2013/11/15
taro07
0
紛争を利用した口減らしを画策するラングレー、まぁまぁだったかな。スカッとするシーンがあまりなかった。2013/09/01
du
0
ブリュッセルを舞台に、サダム・フセインからの虐殺を阻止するためクルド人ラシッド・バルザーニに武器提供をする武器商人や各国スパイたちの物語。武器提供に隠された、またクルドに武器が渡ることを阻止したい各国の政治的思惑。 アメリカ人武器商人、ソ連崩壊と同時にCIAエージェントとなったロシア人元KGB、CIA、モサド、ムハバラットなどが登場人物。 「しかし、ひとりだけ道化師となることを拒否し、人を信じることに命を賭けた男がいた。ラシッド・バルザーニは本物の人間だった」そう言ったバートンの目がかすかに濡れていた。2018/06/03