内容説明
日本の幻想文学は神話、説話に始まっていた。欧米の幻想文学に通じる著者が日本に目を転じ、1300年にわたる“オカルト文学”の意味と価値を問う。小野小町伝説、八犬伝、空海から上田秋成、安藤昌益まで、有名作品のみならず、うずもれた名作・著者にまで言及し、妖しくも恐ろしい日本文学の隠された潮流をときおこした。かつてない荒俣流『日本オカルト文学』ガイド。
目次
第1部 幽之巻
第2部 妖之巻
第3部 怪之巻
第4部 奇之巻
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
記憶喪失した男
7
面白い。日本神道についての良き読書案内。2018/12/11
eirianda
5
思っている幻想文学のイメージではなかったけれど、日本の幻想ってこんな感じかと。まさに明治の異人の目で読んでみました。自分が日本の古典文学に興味を持てない理由が分かったような気がする。帝国物語、一巻を未だに読めないのはこのせいか……。荒俣さんのヨーロッパものは好きなのだけど。2014/09/17
∃.狂茶党
2
『帝都物語』がヒットし、世に知られるようになった荒俣宏による、日本論。 魔人加藤を内に秘め、時折、(右翼的な)日本的なことに対する敵意が顔を覗かせるのが興味深い。 オカルティズムと、選民思想など、想像力の話に絡みついてくる、病についても描かれている。 この毒気は、のちの荒俣本では薄まっていくのであるが、自虐的自画像も含め、うつしよに馴染めぬものとして共感を覚える。2009/05/04
Hideki Ando
1
博覧強記といった感じではある2018/01/08
lobking
1
第一部1ページ目でもう泣いた。なんという非情なほどに透徹した視点。その後の事はともかく、人生この時点でこの枯れっぷりはさすがだ。内容については…「濃すぎ」以外に何も言えない。「房総幻想王国」が白眉。2010/09/02