集英社文庫<br> 憲法なんて知らないよ

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集英社文庫
憲法なんて知らないよ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 213p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784087478143
  • NDC分類 323.14
  • Cコード C0195

内容説明

憲法は国の性格を決める。やさしい国、強い国。卑屈な国やケンカ好きな国。この憲法のもとで、半世紀の間、日本はケンカをしない穏やかな国だった。そのせいでぼくたちは損をしたか得をしたか。今、憲法を論じよう。その土台として、自分たちのふだんの言葉に書き直したのが、この新訳憲法。

目次

新訳「日本の憲法」―「私たち日本人は、国を動かす基本の力は国民みなが持ち寄って生まれるものであることを、まず宣言する」(天皇―「天皇は国のシンボル、まとまって国を作ろうという人々の気持ちのシンボルでなければならない」;戦争の放棄―「陸軍や海軍、空軍、その他の戦力を持つことはぜったいにしない」;国民の権利と義務―「国は、国民が人間としての基本的なさまざまの権利を思うとおりに用いることを邪魔してはいけない」;国会―「国会は国の権力のいちばん上に位置する機関であり、国の法を作るただ一つの機関である」;内閣―「内閣は統率する総理大臣と、その他の国務大臣からなる。内閣の構成は法律によって決める」;司法―「最高裁判所はあらゆる法律や命令、規則、行政府の行いが憲法に違反していないかどうかについての最終的な判断を行う場である」;財政―「国会が認めないかぎり、国はお金を使ったり、また債務を負担したりしてはいけない」;地方自治―「地方自治体は、それ自身の財産を管理し、事務と行政を進め、法律の範囲内で条例を決める権限を持つ」 ほか)
翻訳について

著者等紹介

池沢夏樹[イケザワナツキ]
1945年、帯広市生まれ。87年「スティル・ライフ」で中央公論新人賞、翌88年、同作で芥川賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

29
日本国憲法の元となった英文から著者が新たに訳したもの。当時日本語に訳されたものからでは新たな解釈は難しい為という。分かりやすく中学生くらいでも読め、peopleの訳にも気を使っている。英文も通常の日本文もあるので読み比べもできる。戦後の日本人の骨格となったもので、やはり手直しとなると大手術が伴う。しかし影響が大きいなら修正もやむを得ないだろう。絶えず議論が必要であり、この書は副読本として○。2018/04/04

Shoji

28
憲法を通しで全文読んだ。恥ずかしながら、初めてである。でも、恥ずかしがることはない「憲法とはどういうものかわかっていない人がいる。特に政治家にそういう人が多いから困ってしまう」と、池澤さんは斬り捨てています。溜飲が下がった。しかし、痛烈だな。この本は、憲法を池澤さん視点で訳した本です。右寄りでも左寄りでもなく、素直に分かりやすい言葉に置き換えています。スラスラ読めますよ。憲法全文なんて、読書習慣がなけりゃ読まなかっただろうな。なんか、知識が増えたような気がする。この本に出会えて良かった。2024/03/09

galoisbaobab

12
GHQが作った英語版からわかりやすく訳し直すというなかなか大胆な本ですがとても面白い。ふつう9条しか論点に上がらないけど、41条より前のどれも変えられたくないんだよね。ボクらは民主主義というものを当たり前なものとして考えているけど、”ある国に属した国民”以前の”人間”として血みどろの戦いをして勝ち取ってきたモノであることを考えたいね。それは簡単に失われてしまいそうなモノでもあり、ボクらの日本国憲法は高らかにそれが大事であることを謳うモノなのですよ。2015/10/10

夕暮

6
憲法記念日の昨日から読み始めた。2005年に書かれたこの本。そのころから、この国に政治は相変わらず低レベルなままな気がする。東日本大震災前後の民主党政権のときは、まだのんびりしていたのか、こんなにコロコロ総理大臣が代わっても日常的に影響しない日本ってすごいななんて悠長に構えていた自分がいるが、いまの政権になって、明確な根拠を提示できないが、言い知れぬ不安と危機感を覚えてならない。確実に私たちの自由や人権は損なわれようとしているのではないかと。 9条だけでなく、11条も14条も欠かせない。また読み返そう。2020/05/04

もくもく

4
日本国憲法の原文は英語だって聞いたことはあったけれど、その原文(本書の巻末に掲載)を見たのは初めてのことです。本書では翻訳家としての著者が英語の原文を独自に翻訳したって形で、法律用語で難文の憲法を読みやすいものとして提示しています。はじめて憲法を前文から終わりまで読みました。著者の政治的な立ち位置などはおいといても、日本国憲法ってのは、おもいっきり民主主義・人権思想の理想論で固めたものなんだってことがよくわかりました。憲法に対してどんな主張をするにしても、まず一度は現物を読まなきゃね・・・。2013/05/07

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