内容説明
青森県の中学三年生、神山は補欠の野球部員、平凡な生徒だ。ある日米軍放送で聴いたビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」が彼を変えた。聞き覚えてクラスで歌い彼はクラスで認められた。多恵からも声をかけられ初恋の思いを抱く。夏休み、さまざまなトラブルが彼を襲う。でも彼には仲間がいるし、ビートルズがくれた勇気もある。「本の雑誌が選ぶ2001年度ベスト1」「第17回坪田譲治文学賞」受賞。
著者等紹介
川上健一[カワカミケンイチ]
1949年青森県生。十和田工業高校卒。77年「跳べ、ジョー!B・Bの魂が見てるぞ」で小説現代新人賞を受賞してデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょこまーぶる
125
読後に「何て良い話なんだぁ」と呟いた一冊でした。中学生の野球部の若者の大人と子どもの間のアンバランスな心の葛藤や頭の中に渦巻く性の妄想と純粋な愛情への気付き。そして、愛する人との別れのシーン・・・この本の内容は、多くの人が子供の時に体験しているようなことであって、その過去を回顧したり、反省したり、懐かしんだりと色々な想いをめぐらせることができる本だと思いますね。そして、若者たちの大人への後押しをしているのが、ビートルズの曲と言うのが泣かせるじゃありませんか。ラストの同窓会のシーンは涙物でした。2016/12/25
いこ
116
中学生の一途さ、純粋さ、無邪気さ、健気さ、そんな色々に何度も胸が詰まった。自分にも確かにあった時代なのに、振り返ればもうすごく遠い。でも、懐かしい。体育のごつい先生は、一年中竹刀持って歩いてたし、部活の先輩は、皆威張ってたし、男子は性に目覚めてたし(内緒話が聞こえちゃった)、淡い初恋話、沢山聞いたし。まだ何にでもなれた時代。たかが洋楽の一曲で、あの頃は強くなれた。それは、ちっとも「たかが」じゃなかった。皆が素敵な曲や詩や、色んなものを宝物のように抱きしめていた時代だった。中学生達の生き方が眩しすぎる一冊。2021/12/01
takaC
114
ニライカナイは持ってないから1冊飛ばして『翼はいつまでも』を先に。多分これがきっと自分が初めて読んだ川上健一小説だったと思う。その後そこそこたくさん読んで他にもいろいろ面白いのもあったりしたけどやっぱりベストはこれかな。いや、未読もあるからとりあえず暫定チャンプだね。大人にも子供にもオススメだよ。ホントに。2016/04/28
やも
88
THE☆ジュブナイル小説。青森を舞台に中学生が「はんかくさい」青い春の中をめいっぱい駆け抜ける✨無駄に支配したがる大人、窮屈な学校のルール、可愛いクラスメイト、もう俺を自由にさせてくれ!とハートも股間もはち切れる寸前💥(いろんな意味で)一皮剥けた男になるため、十和田湖でキャンプの最中、思いがけず根暗クラスメイト女子の裸を見てキャッ😳❣️【今】伝えたい気持ちを爆発させる中学生の瑞々しさが眩しくて目がつぶれそう🙈💦それにしても中学生男子、君たちは十和田湖をなんだと思ってるんだ🤣エピローグがいい!★42022/07/30
Willie the Wildcat
83
嘘!相手を想うからこその嘘(”方便”)もあるから悩ましい。多恵と久志が、湖で心を繋ぐ過程に至る1つ1つの出来事がキモ。笑顔や歌が、万国共通の”キッカケ”なのを証明。無論、いざという時の言動がトドメ!だからこそ、中川先生の心にももれなく想いが届く。本当にベタだとは思うけど、初恋や性の件などが自然であり身近。特に湖での久志のぎこちなさが、私自身の中学時代の初さをダブらせる・・・。(笑)単純な私は、駅での別れのシーンにグッときてしまった。この本、誰が紹介してくれたんだっけなぁ・・・。(汗)2016/02/08
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