内容説明
時は二世紀末。治世衰えて叛逆の黄巾賊が蜂起、中国大陸は混迷の極にあった。ここに敢然と立上がったのが劉備、字は玄徳である。義兄弟の契りを結んだ関羽、張飛を従えて義勇軍を結成し、賊軍を次次に打ち破る。一方、洛陽では曹操が意気天を衝く勢いで名乗りを上げた。董卓もまた賊軍との抗争の中、勢力を拡大して洛陽制圧をと狙う。壮大なスケールで描く柴錬三国志、開幕。
著者等紹介
柴田錬三郎[シバタレンザブロウ]
1917~1978。岡山県生まれ。本姓斎藤。慶大文学部卒。在学中『三田文学』に処女作「十円紙幣」を発表。戦後、編集者生活を経て、51年「イエスの裔」で直木賞受賞
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感想・レビュー
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海猫
21
抜群のリーダービリティ。冒頭から一気に読ませるがさらに中盤以降、著者も乗ってきたのかぐいぐいオリジナリティーが発揮される。漂うエロティシズムやサデイズムは柴錬節と言えるだろう。登場人物を大胆にデフォルメしてあったり展開を思い切って省略して見せ場を徹底的に盛り上げる手腕には講談的な面白さがありその巧さには舌を巻く。そのぶん吉川版三国志と比較すると各場面の味わいが薄く歴史小説的重厚さに欠けるきらいはある。しかしこの作品の場合、弱点と捉えるよりは疾走感溢れる大衆娯楽小説として語り直したことを評価したい。2014/05/26
Moonlight_Hope
9
■吉川英治版を高校時代、日本史の授業中に読んでいたアホな身。 それから歴史シミュレーションゲームにどハマリ。 最近では、昨年北方謙三版のコペルニクス的解釈についていけず。(面白かったですよ) そして今回柴錬版に手を出す。 ■冒頭、ド肝を抜かれる張飛の登場。 これで心を鷲掴みされてしまう。 桃園の誓いこそないけれど、吉川版のエピソードが(それはつまり三国志演義に忠実になんだろうけど)「あったあった」「あー、それそれ」ととんでもない厚さにも関わらず苦にならない。2023/07/12
あかる
5
講談を思わせる、キレの良い語り口と、スピーディーな展開。三国志の有名どころの中で、実は一番好きだったりする。改めて読むとサクサク進みすぎる感もあるが、やはりこの文章の爽快感は素晴らしい。趙雲が幼い頃に関羽の弟子だったり、襄陽面子がチラリと顔を出したり、盧植と孔明に繋がりをつけるのも小粋な配置。しかし、曹操の登場シーンが少ない。気づいたら丞相になっていた。最近は曹操に焦点を当てるケースが増えているので、時代性を感じて面白い。2014/10/25
yooっち
4
ミステリーメインで乱読をしていると、時々違う系統のものを読みたくなる。そこでいつかは読んでみたいと思っていたのが三国志。柴錬は出だしから惹きつけられた。空から死体が降ってきた場面で劉備と張飛が出会うとは笑 キンドルでは吉川英治版が無料なのでそちらと同時並行で読み進めている。北方謙三版もいつか読みたい。とにかく、まだ孔明もでてきてないのに面白く、かつスピーディで厚さが煩わしくない。間違いなく、男の子なら誰でも読みたくなる作品だろう。2018/03/21
サンハウス
3
吉川三国志、北方三国志、宮城谷三国志など、数多くの三国志小説がある中で、埋没しかかった感がありますが、これも一際輝きを放つ柴錬三国志の第一巻。講談的な切れ味の良い語り口で、テンポ良く話が進んでいきます。また、格調高い文章のお陰で、登場する武将たちが生き生きと躍動する様を楽しめました。諸葛亮の少年時代などの創作部分も三国志ファンには嬉しいところです。一冊一冊が厚いですが、三国志小説の中でも読みやすいので、三国志初心者の人にもお薦めです。2016/08/20




