集英社文庫<br> カイマナヒラの家

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集英社文庫
カイマナヒラの家

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  • サイズ 文庫判/ページ数 199p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087476682
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

様々な人が共同生活を営むその家は、サーフィンに魅せられハワイイに通うぼくの滞在場所となった。夕日の浜でサムに聞いた「神様は着陸を禁じられた飛行機」の話、伝説の女性サーファー、レラ・サンの死。神話を秘めた島ハワイイが見せてくれる、永遠に通じる一瞬と失わなければいけない時を描いた、美しい物語。

著者等紹介

池沢夏樹[イケザワナツキ]
45年、帯広市生まれ。87年、「スティル・ライフ」で中央公論新人賞、翌88年、同作品で芥川賞受賞

芝田満之[シバタミツユキ]
55年、埼玉県生まれ。高校卒業後独学で写真と映像を学び78年「サーフマガジン」創刊に参加
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

293
第二の故郷であるハワイイ(池澤氏に倣って)に関しての作品は、どうしてもレビューもアマアマになってしまう。頰を撫でる貿易風、潮の香りが立ち昇ってくる短編+写真集であった。そもそもわたしが池澤さんを読み始めたのは、『ハワイイ紀行』がきっかけだったしな。舞台になるダイヤモンドヘッド近辺の家も想像できるし、みなが揃って食べに行ったイタリアンは間違いなくベレタニア通りにある「Auntie Pasto's」だね。安くて美味しく、我が家が月イチで通ってたお店、まだあるんだなぁとしばしノスタルジーに浸ってしまった。2018/08/16

ヴェネツィア

254
日記か随想のようにも見える、淡々と綴られた小説。全体は池澤の文と柴田満之の写真から構成されるが、小説は連作掌編の形を取っている。カイマナヒラは、ハワイイ語(ハワイではなく、ハワイイ)でダイアモンドヘッドのこと。その麓に立つ由緒ある家が物語の舞台だ。ここでは時間は実にゆったりと揺蕩うように流れている。光と海と波の世界だ。今さらハワイなんてと思いがちだが、これを読んでいると、いやいや捨てたものでもないかなと思えてくる。もっとも、こうした雰囲気を味わうには最低限でも1か月、あるいはそれ以上の滞在が必要だろうが。2015/10/07

新地学@児童書病発動中

123
ハワイを舞台に、サーフィンが好きな主人公がいろいろな人達と交流していく物語。純文学の作家としての池澤夏樹を期待すると、がっかりするかもしれない。ハワイの雰囲気と同じようにゆったりとした時間の流れている物語で、肩肘張らないでくつろいで読むことができる。それでも一人一人の登場人物の描き方は陰影豊かで、光と影が交錯している趣きがあった。芝田満之氏の写真が多く収録されており、ため息が出るほど美しいものがいくつかあった。風景の中にあるリリシズムを最大限に引き出した写真だと思う。2016/04/01

masa@レビューお休み中

81
真っ青な空と海。映像とともにハワイの光景が現れる。行ったことない場所なのに、今そこにいるかのような錯覚に陥ってしまう。ハワイに実在する家を舞台にした、架空の物語。どこか夢物語的な雰囲気がまたいいのだ。ハワイに行ったことがなくても、サーフィンをしたことがなくても、その家の存在を知らなくても身近な出来事のように思えてしまう。ガツガツ働かない生活、サーフィン中心の暮らし、何があっても動じない心。東京で暮らしていると、つい忘れてしまうものがここにはあるような気がしてしまう。ハワイに行きたい。そんな衝動に駆られる。2017/12/17

おいしゃん

69
物語も、ふんだんにある写真も、とにかく美しい。奄美への南の島旅に携えて、大正解だった。誰しも、思い出深い住まいや場所があるだろうが、その思い出の引き出しをすっと開けてくれるような作品。旅のお供としてだけでなく、大人用絵本のような感覚で、眠れない夜に手に取るのも良いかもしれない。2016/09/04

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