内容説明
重病の床にあった孫権が逝くと、圧倒的な軍事力を誇る魏は即座に軍を動かした。しかし呉はこの進出を阻み、准南に二十万の大軍を送る。攻防三か月、呉軍は猛暑のため撤退を余儀なくさせられた。三国の戦いは限りなく続く。蜀は魏に滅ぼされ、魏が司馬炎の晋に敗れ去る。そして、最後に残った呉も…長江の水だけが悠久の流れを見せる。
著者等紹介
伴野朗[トモノロウ]
1936年7月愛媛生。東京外国語大学卒。朝日新聞記者を経て作家に。76年「五十万年の死角」で江戸川乱歩賞受賞。歴史と冒険・推理を組み合わせた作風で独自の世界を展開
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感想・レビュー
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gonta19
30
新規購入ではなく、積読状態だったのもの。 購入詳細不明。 2013/8/5〜8/8 10巻にわたる大長編もいよいよ最後。吉川版ではほとんど語られない五丈原以降の三国を描く。こうして後世から神の視点で見ると、三国志の時代は人材が綺羅星の如くいたんだなあということ。権力を握れば握るほど、それを守ろうという欲のせいか、公より私を優先してしまい、結局はその座を失ってしまう。人間は歴史に学んでいるようで学べていないんだよなぁ。そう考えると、徳川家康は偉大だったんだ。 これで文庫化された伴野作品はすべて読んだことに2013/08/08
蛇の婿
10
呉・三国志最終巻。個人的に諸葛恪がちょっと好きなので、晩年の頃の失敗に続く凄まじい彼の取り乱しっぷりを書いてくれたのはなかなか嬉しかったです。歴史のこのあたりのことを書いてくれている三国志は少ないので、実はこのシリーズは意外と貴重な存在なのかもしれません。2012/08/26
BIN
7
呉滅亡で晋の統一まで描かれたけど、孫権の死後は蛇足のような感じに思えた。孫権の老害っぷりが顕著に描かれており、諫言してくる陸遜に対して朋党の禍(一般的には二宮の変)を家族の問題なのに他人が口出すなと思っているというのは面白い。ただ、孫権の死に際に孫朗もなぜか登場しないし、呉の最後の英傑陸抗も終盤登場しないのが不思議でしょうがない。最終巻は呉メインだっただけにもうちょっと盛り上げて欲しかったなあ(無理な注文かもしれんが)。2016/05/19
kazu
3
五丈原の戦いで終わる三国志が多い中、三国の滅亡まできっちりと描かれた最終巻。蜀・魏の滅亡は「それからの三国志」など、他書籍でちらほらと見かけるようになったが、呉の滅亡はあまりなかったので珍しい。 晩年の孫権の老害っぷりが見事。 浙江耳の最期は描いてるのに(あまりにも淡々としたもので残念だったけど・・・)、臥龍耳・青州眼のその後が放ったらかしになってたのはちょっと残念。2013/02/27
くっちゃ
3
遂に全巻読了〜!三国志を扱った作品の中で、呉滅亡までを描いた作品をはじめて読んだ。でも他の作家さんが書かないのは納得かも。ただただタガが外れたように落ちて行く国は人でさへ魅力的な人間がいない。これじゃドラマチックじゃないよな〜。いい後継者がいなかったこと。これが三国共通の不幸だった。2012/05/18
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