内容説明
近藤勇、土方歳三、沖田総司…。幕末の歴史に一閃の光芒を遺して逝った、新選組の男たち。そして新選組を愛憎する男女の群像。殺気波乱の京洛、風雲急を告げる甲州勝沼、激戦の箱館と、男たちの夢が託された“誠の旗”がゆくところ、有情無情のドラマが生まれる。子母沢寛の古典名作から神坂次郎の異色作まで、十四の物語を厳選収録。これぞ新選組傑作選の決定版。
著者等紹介
細谷正充[ホソヤマサミツ]
1963年生。時代小説とミステリを中心に、文芸評論家として活躍
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感想・レビュー
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ウッチー
8
14の「誠」の旗の下のヒューマンドラマである。中でも、「ごろんぼ佐之助」では、後に佐之助が自慢する腹傷のもとがわかった。また、20代半ばにして、男として役に立たなくなった裏話。「巨体倒るとも」では、「力さん」と親しまれた島田魁。明治の世の48歳の時に、永倉と再会し、話をする場には、精鋭ながら私も参加したかった。(笑)「生き残ってしまったおれたちには、おれたちなりの生きる苦労というものがあるのだ)うー!そうだよね。お二人に頷きながら、お茶でもお出ししたい!長々とすみません。2015/08/14
ちびごん
7
新選組アンソロジー。どの短編も魅力的で面白かった!「武士の妻」「祇園の女」「ごろんぼ佐之助」などが印象に残った。ラストの「さらば新選組」はもちろん言うまでもなく(^^)三好徹さんの土方さんへの解釈が好き。もう少し新選組シリーズを探してみようかな。2015/07/15
UMA
6
宇能鴻一郎目当てで購入。「総司の眸」「祇園の女」が好き(特に後者)。どちらかというとエンタメ色が強かったり幹部以外の人物を取り上げたり、他のアンソロジーにない方向性でまとめられている感じ。2011/11/04
Eiji
2
子母沢寛の古典名作から神坂次郎の異色作まで、十四の物語を厳選収録した新選組傑作選。中でも、日本人として必ず読むべき本、「今日われ生きてあり」で有名な神坂次郎が書いた、佐久間象山の息子、格二郎の話が群を抜いていた。一つの事実(おそらく子母沢寛の新選組始末記)から描かれたということが分かりながらも、相反して作者それぞれの個性が際だっている。その違いを見るだけでもおもしろい。 2004/06/30