内容説明
魏の曹丕、蜀の劉備、呉の孫権。天下は三分された。孔明に諌められ一度は東征を断念した劉備だが、関羽の弔い合戦を果たそうと画策。ついに蜀軍は呉に向けて東進する。孫権は苦しい選択を迫られた。劉備の軍を迎え撃つ間に、北方から魏に攻め込まれたなら万事休す。双方を相手に戦う力など呉にはない。止むを得ず陸遜の言に従い、魏の曹丕に臣従を申し入れるが…。
著者等紹介
伴野朗[トモノロウ]
1936年7月愛媛生。東京外国語大学卒。朝日新聞記者を経て作家に。76年「五十万年の死角」で江戸川乱歩賞受賞。歴史と冒険・推理を組み合わせた作風で独自の世界を展開
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感想・レビュー
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gonta19
30
新規購入ではなく、積読状態だったもの。 購入詳細不明。 2013/7/21〜7/23 本巻にて、劉備が亡くなり、第一期三国志が幕を閉じた。張飛の死に関して、伴野さんはなかなか魅力的な裏を提示。史実もそうであったのかも?と思わせる。蜀の主役が孔明となりこの後どう話が展開していくのか。伴野作品あと三冊。2013/07/23
BIN
9
劉備死後の呉蜀同盟まで。張飛暗殺のところは誰もそんなこと考えないような展開で面白い。孔明の苦悩が垣間見える。地味な諸葛瑾が孫権の心の支え的な存在になっているのは良い。だいぶ諜報機関同士のバトルが激しくなってきてはいるが、神農三羽烏はやり過ぎで若干萎えた。孫権の代に入ってから呉が脇役へと追いやられているように感じられて残念に思う。呉の色をもっと強めて欲しいのだが無理か。2016/04/27
蛇の婿
7
冒頭、張飛が死に、夷陵の戦いを挟んで、劉備もまた死んでゆきます。この張飛の死に関してのエピソードは非常に感心しました。なるほどねぇ…流石です、素晴らしい!そして青州眼に強力な助っ人登場…これは…山田風太郎とか横山光輝とかを思い出すレベルですね?場所としては蜀にある、神農魔林の人、とのことなので、もしかして出典は『山海経』あたりからのものかと思いましたが、ちょっと探しだせませんでした。これ、何か出典があると面白いと思います。オリジナルかな?2012/05/19
くっちゃ
5
張飛暗殺。そして夷陵の戦いに敗れた劉備の死。諸葛亮に残した劉備の言葉が印象的だった。ここまで信頼され、更にそれに命を賭けて最期まで応え続けた諸葛亮はやはり三国時代を代表する偉人である。呉への和睦の使者であるトウ芝が個人的に大好きだった。こういう実直な人は本当に尊敬してしまう。2012/04/16
kazu
3
張飛の死に関する孔明の絡み方が、かなりおもしろい。 魏・呉・蜀の諜報機関がまさに縦横無尽に活躍している感がある。 神農三羽烏が出てきて、ちょっとファンタジー色が濃くなってきた。2013/01/13