内容説明
呉の孫権は孔明の説諭に動かされ、蜀の劉備との連合軍を結成した。一方、荊州を席巻した魏の曹操は勢いを得て、南征を発令する。長江制覇に八十万もの大遠征軍を組織したのである。呉将は必ず投降する、と曹操は勝利の笑みを浮かべたが、その顔が凍り付いた。紅蓮の炎が自慢の水塞を襲おうとしている。世に名高い「赤壁の戦い」の帰趨は。
著者等紹介
伴野朗[トモノロウ]
1936年7月愛媛生。東京外国語大学卒。朝日新聞記者を経て作家に。76年「五十万年の死角」で江戸川乱歩賞受賞。歴史と冒険・推理を組み合わせた作風で独自の世界を展開
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感想・レビュー
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gonta19
24
新規購入ではなく、積読状態だったもの。 購入詳細不明。 2013/7/9〜7/11 赤壁の戦いを経て。いよいよ三国鼎立に向かう。細かいこと忘れてしまってるなあ。昔、読んだ吉川版、もう一度読んでみるか。2013/07/11
BIN
8
劉備の益州侵攻まで。本巻は呉より劉備の方がメインのように感じた。赤壁の戦いでの曹操軍の敗北は疫病が蔓延したのが原因としたところは良いのだが、それにしてもあっさり書きすぎているような気がする。史書を書いてるわけではないのだからもっと周瑜の活躍する場面を書いても欲しかった。赤壁後に劉備(というか孔明)が呉に思いっきり敵対行為しているのも演義と違いよかった。張松の字が途中で変わっているのが気になった。2016/04/20
蛇の婿
5
三国志最大の見せ場である『赤壁の戦い』。周瑜が特に孔明の才能に嫉妬していないのが好印象w。…難を言えば、赤壁、それに続く合肥の小競り合いと、もう少しページを費やしても良かったのではないかと思います。後半は劉備の益州攻略。孫権サイドがちょっと脇役っぽくなってしまっているのは仕方ないのかな?2011/09/23
kazu
3
赤壁の戦いは疫病が原因で撤退した、という説と従来の火計とをうまく組み合わせてます。それにしても脇道の話が多い。おかげで豆知識や薀蓄が増えて楽しいんだけど、物語としてのリズムというかテンポがどうしても狂う感じ。2012/12/02
くっちゃ
3
赤壁の勝利は火計によってではなく風土病によってもたらされた勝利。知ってはいだけど改めて言われるとちょっと残念。まあ変に脚色されるよりはマシ(笑)そして劉備さんの益州攻略は化けの皮が剥がれる瞬間だよな〜。2011/08/24