内容説明
秦の始皇帝亡き後、中原に鹿を追う群雄割拠の中から台頭したのは、漢の劉邦と楚の項羽であった。おおらかな性格で人を惹きつけるだけの劉邦に対し、項羽は才気に溢れ武勇にも富んでいた。正に『西楚の覇王』と尊称されるに相応しい人物であった。しかるに何故、四面楚歌の中で孤立し、敗者として滅び去らねばならなかったのか。漢楚の興亡を項羽の視点から、大胆に描ききった古代大河ロマン。
著者等紹介
塚本青史[ツカモトセイシ]
1949年生。同志社大学卒。元イラストレーター。96年『霍去病』にて注目を浴びる。塚本邦雄選歌誌『玲瓏』発行人
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感想・レビュー
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Tetsuya Suzuki
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再読2015/06/14
しいかあ
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直接物語には登場しないものの、徐福がキーパーソン。彼の存在が物語全体を伝奇的な雰囲気に包んでいる。彼がいなければあんまり新味のない物語になっていただろう。范増が鴻門の会のあとも項羽と仲がいいのがちょっと不満。でも呂馬童にスポットが当たっているのは嬉しい。呂馬童が居ることで、最後まで項羽は孤独にならずに済んだ。香乱記読んだすぐあとで読んだ。大筋のストーリーは一緒だからちょっと退屈。でも、香乱記とこれと両方読むと田横や項羽を主観と客観の両面から比べられていいかも。どちらも主人公に対しては贔屓気味だし。2010/09/27