内容説明
虫歯治療用の笑気ガスがもたらした、とんでもない幻想。朝から晩まで台所の床に寝そべり続けて、親を泣かせた中学生時代。はじめて明かされる、たよりなく取り柄もないが憎めない男・父ヒロシの半生…。日常のなかで出会うトホホな出来事や懐かしい思い出がつまった、爆笑エッセイ。ある生理現象について、真摯な議論が交わされる、三谷幸喜さんとの巻末お楽しみ対談つき。
目次
歯医者に行く
タンスを求めて
英会話の学習
グッピーの惨劇
町に来たTVにでてる人
独自の研究
習字のおけいこ
消えたドーナツ
小杉のばばあ
写真〔ほか〕
著者等紹介
さくらももこ[サクラモモコ]
1965年5月8日静岡県清水市生。86年『りぼん』に「ちびまる子ちゃん」連載開始。89年同作品で講談社漫画賞受賞、90年作詞をした「おどるポンポコリン」でレコード大賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
269
シンプルな話が心に残る。本書では「小杉のばばあ」、「二十歳になった日」、「父ヒロシ」がそれだ。嫌われ者のばあさんの意外な素顔、二十歳になった日のある行動、父との思い出で父が嬉しそうに笑ったエピソード。実に日常的で読者の人生にも当て嵌まる、人、行動、会話だが、そんな些細なことこそが記憶として鮮明に残ることを再認識させられる。誰もが持つ何気ないエピソードをふと思い出させ、追体験させる日常性こそが著者のエッセイの強みだと改めて思わされた。やはりさくら氏のエッセイはどこか心に残るのである。参ったものだ。2016/11/21
おしゃべりメガネ
178
いいなぁ、お姉ちゃん。クールな感じが笑いをパワーアップさせてくれます。アニメを観てるイメージより、さらにひとくせありそうなお姉ちゃんのキャラが印象的です。お母さんはテレビでみるイメージそのまんまな気がしますね。で、相変わらず呑気な父ヒロシがますます笑かせてくれます。作者さんの初期エッセイ三部作の完結編ですが、やっぱりさくらさんのエッセイは何度読んでも面白く、よくもまあこれだけ笑いを誘う文章を書けるもんだなぁと。笑える話だけではなく、ちょっとセンチメンタルな泣ける話もサラッと書いてしまうとこがさすがです。2021/09/20
馨
154
さくら先生のエッセイシリーズ大好きです。こちらもかなり笑いました!
ykmmr (^_^)
147
さくらエッセイ3冊目。さくらさんは、まる子らしく、自分の姿をありのままに、隠さないし、周囲の人の自分に対する態度も、ありのままに受け入れている。私なら、妙な『自尊心』でイライラしてしまうところを、さくらさんはさらっと、描き上げる訳で。さくらももこ=まる子の図式が出来たのは、やはり生い立ちのお陰なんだろう。こちらには最初の夫とのエピも書いてあり、前作2つより、時代が進んでいるのかな?時がすすんでも、まる子はまる子なんだろう。2023/03/31
MI
128
さくらももこのエッセイ。読んでいると、ちびまる子ちゃんをみているようで、時にくすっと笑えた。私は「引越し」が面白かった。独身時代に住んだ高円寺のマンション。おしゃれで、どこかに浅野ゆうこが隠れているのでは!?でもきっと浅野ゆう子よりも地味な生活を送っているのだろう。高円寺の生活は快適だったが、そのうち結婚話が持ち上がり、旦那さんの荷物と自分の荷物を整理するのに、骨を折った。ももこさんのエッセイは最後にオチがあり、微笑ましい。父ヒロシが出てくるとホッとする。また他のエッセイも読んでみたい。2023/06/27