内容説明
「いい大学に行って、一流会社に入るだけが人生じゃない!」落ちこぼれだった著者は、植村直己の著書と出会い、人生の目標を見つける。波乱の少年時代から、7大陸最高峰世界最年少登頂記録を樹立した1999年5月のエベレスト登頂までを綴った、若きアルピニストの軌跡。夢を持ち、挑戦することの素晴らしさを伝える熱き自伝。
目次
1999年5月12日午後10時~13日午前9時30分(ネパール時間)サガルマータ、ついに山頂に
1973年~1989年タクシーを乗り回す小学生
1999年5月13日午前9時45分~15日午後2時(ネパール時間)死にものぐるいの下山
1989年~1990年兵隊がお姫様に恋をした
1990年7月~8月モンブラン、高校2年生の挑戦
1990年8月~10月僕には山しか残されていない
1990年12月キリマンジャロ、高山病との戦い
1991年~1992年登山で大学に合格する
1992年2月~3月初めてのヒマラヤ
父のこと「肩書のない人生を送れ」〔ほか〕
著者等紹介
野口健[ノグチケン]
1973年アメリカ生。植村直己の著書に感銘を受け、十六歳で登山を始める。99年のエベレスト登頂で七大陸最高峰最年少登頂記録を達成。エベレストや富士山の清掃登山など環境問題にも取り組んでいる
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感想・レビュー
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nonpono
63
26歳、会社が倒産したわたしは、ネパールでヒマラヤを見ながらトレッキングしアジアを横断するはずが、いろいろあり、キリマンジャロ山を登り帰国した。わたしに世界七大陸を教えてくれたのは野口健である。挑戦中に一芸入試である大学に受かっているから。父が外交官で、落ちこぼれて植村直己を読み登山へ。少し冬山を習いキリマンジャロを登る。3回目のエベレスト。シャルパの娘との結婚とかいろいろあるが、橋本龍太郎に直訴しエベレストのゴミを拾ったり、被災地にテントを送ったり、対応の早さに拍手はしたい。これからは娘さんと活動かな。2025/02/23
さきん
27
現在、山岳清掃で活躍する野口氏の七大陸制覇に至るまでのエッセイ。シェルパの過酷な生活実態やアジアの衛生観念の低さ、ハーフの生い立ちとしての堅苦しさ、抜群の行動力と運で登山への準備を充実させるなどなど。興味深い話がたくさんあった。2017/03/06
donboo
19
アルピニストの野口健さんの生い立ちから世界7大陸の最高峰を制覇し環境保護活動に至るまでのノンフィクション。娘が小学生の時に読書感想文の図書に選んだのが野口健の「あきらめないこと、それが冒険だ」で付箋を沢山付けて読んでいたことを思い出す。幾多の挫折を繰り返し諦めない姿勢に娘は感化されたようだ。「遠征に行かなければ金はない。行けば死ぬ」そんなシェルパに対する感謝の気持ちが心を打つ。2016/08/19
koheinet608
14
野口氏は、ニッチを見つけるのが上手い。そのニッチに自分の全精力を傾ける。そして自分の中に問題意識を育んでいく。その幅、深さ、内容がその人の人生を決定づけるかもしれません。 出版された当時は、かなり新しい生き方でしたが、今では、この生き方が王道になりつつあるかもしれません。 必ず世界には、自分を受けいれてくれる世界がある。 そして、自分の中に、その「世界」はもうある。その世界を見つけるには、自分ができないことに挑戦し続ける。本書はそういうことを感じさせてくれます。 2018/03/24
ひじり☆
12
「あきらめないこと、それが冒険だ」が面白くて借りたのだが、これも面白くて一気読み。危険な山なんて、何故そこまでして登るのだろう…って私とは全く違う人生をたどるようでドキドキハラハラした。最後の手紙は圧巻。未来を作る子ども達に伝えたい。2019/01/18