内容説明
花束か洋梨に似た甘い香りとルビーのような紅のアッサム。白ワインのような芳醇な香りとオレンジに輝くダージリン。最高級の紅茶の印「金の芽」と「銀の芽」を求め、インドで最も危険な地方に旅をした著者が出会ったのは、紅茶を愛し慈しんで育てているインドの人達の暖かい笑顔だった。日頃何気なく飲んでいる紅茶も、その歴史と作り手の顔が見えれば、もっと美味しい。
目次
第1章 金の芽への道(カルカッタの紅茶屋台;マドラスからカルカッタへ;州大臣の安全保障;紅茶と噛みタバコ ほか)
第2章 銀の芽への道(猿の神様;シャーさん宅の夕食;空港の拾う神様;ビスケットとチャーイの朝食 ほか)
著者等紹介
磯淵猛[イソブチタケシ]
紅茶研究家。1951年愛媛県生まれ。青山学院大学卒業。商社勤務を経て紅茶専門店ディンブラ開業。紅茶研究の第一人者として輸入販売、プロの技術指導、一般向けの紅茶教室を開くほか、ティーエッセイストとして著書多数
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感想・レビュー
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NAO
62
著者は、紅茶研究家で紅茶専門店ディンブラの開業者。おいしい紅茶を求めてインドを旅し、世界中で飲まれている紅茶がどんなところでどのように作られているかを知れば、日頃何も思わずに飲んでいる紅茶への思いや考え方も変わるのではないか、とアッサムとダージリンの茶園を訪れようと考えた。ところが、この茶園行きが、どちらも、なんともすさまじい旅なのだ。それでも、著者は諦めない。何がなんでもという感じで茶園行きを決行する。おいしい紅茶が生まれる現場を自分の目で見たいというのは、その紅茶へのリスペクトに他ならない。2022/09/07
ジュースの素
4
確か三度目くらいの読了。アッサムとダージリンへの見学に期待を膨らます磯淵さんだが、インドは思うようには行かない。案内人もテロを怖がって同行を渋る。現に無差別のテロで何人もが命を落としている。実際の茶園の話よりもその地に到達するまでの苦労話が格段に多い。実は10年程前に私もダージリンに行き、茶工場の見学、町の散策などをしている。山肌にへばり付くような狭い町なので平地が全くない。茶の木も急な所で、転げ落ちたら終わり。茶摘みも命がけだなぁと思った。新芽にある細かな産毛が黄色や白に光るので金の芽銀の芽と言われる。2015/09/01
みくに
0
ただ美味しい紅茶に出会いたい。という信念を感じました。
三沢まりの
0
面白い! 要約すると「アッサムとダージリンの茶園に行く話」なのですが、テロの恐怖、過酷な気候、インドの方々とのふれあい、ロードムービー、苦労の末に辿り着いた紅茶の美味しさと美しさ…。喜怒哀楽がたくさん詰まっていて、すぐにでも紅茶が飲みたい。2022/10/26