集英社文庫
ディングルの入江

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  • サイズ 文庫判/ページ数 292p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087473858
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

アイルランドを訪ねた写真家の「私」が出会った女流画家プーカ。沖合に浮かぶ今は無人の島ブラスケットを見つめる彼女は、幼い頃島に流れ着き、一切の記憶を失って育った。彼女がキャンバスに描くのは、失われた時間と自分だけの物語。その姿は、同じ漂流者たる「私」の心をとらえるのだった。孤独な魂と魂が寄り添い、共鳴して…。無数の国境を横断し、人間の光と闇を見つめてきた著者初の長編小説。

著者等紹介

藤原新也[フジワラシンヤ]
1944年、福岡県門司港生まれ。東京芸術大学油絵科中退後、アジア各地を放浪
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

53
アイルランド最西端のティングル半島の沖のブラスケット島。欧州人にとって、最果ての地と感じられたであろう。今は無人島だが、ケルト神話のティ・ナ・ノーグ(楽園)を求めて住み着き、数世紀に渡って強い絆をもって生きていた人々がいた。写真家・藤原新也は写真を撮りながら、その島から退去させられ離散した人々と邂逅し、探索し、愛し、別れる。登場人物は虚構だろうから小説だろうが、風景描写などは旅行記といっていい。しかし、ケルトの民話歴史を織り交ぜながら写真家としての哲学を熱く語っており、自ら「長編詩だ」というのも頷ける。2015/01/11

葉隠

7
私やっぱり この方 好みです。 嫌味と紙一重のこの気取りも嫌いじゃありません。2020/03/01

RYOyan

6
読後、Google earthでダブリンから西へと指で道を辿りながら、ディングルの入江を目指してみたら、小説とリアルの世界が交錯して、なんとも言えない余韻にしばらく浸ってしまいました。アイルランドの西の岬の最果て感の中で、人と人の運命の繋がりを信じる・・・こんな世界を旅してみたいって本気で思いました。個人的にはCeltic Womanの「The Soft Goodbye」が、この小説のテーマソングです☆2012/06/02

HIRO1970

4
☆☆☆2011/12/03

sunflower

3
情景描写が写真家ならではの感覚で綴られてるとの前評判で購入した本です。自分の周りはすべからず低評価でしたが、個人的にはかなりのお気に入りです!伏線回収がかなりの好みでしたので(笑)この本を片手に、海辺でゆっくり読んでたのですが、お昼に来て夕日まで見れたのを覚えてます! 作者さんは、入江で起こった奇跡を想像しながらシャッターを切ってたのだろうか?それが1番のミステリー(笑)

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