内容説明
死に至りかねない暴力、代々続いている性的虐待、長期間の育児の放棄…など、衝撃的な子ども虐待の実態を、医療や福祉の現場での取材をもとに生々しく描き、救いの道を探ったノンフィクション。虐待する親は、自分自身に深刻な問題を抱え、子ども時代に被虐待の悲しい過去を持つ事が多い。虐待の有無にかかわらず、全ての人の親子関係を問い直す力作。(ささやななえの漫画『凍りついた瞳』原作)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amenohinooto
1
30年前のレポートとは思えない。ほとんど今と変わってないように思えた。救える命が救えない。2012/08/15
うたまる
0
「あの子は、もう要りません。引き取る意志はありませんので、すべて所長さんにお任せします」……児童虐待がまだ一般に認知されていなかった1980年代のルポ。児童虐待防止法が無い時代で、殺人未遂なのに逮捕も起訴もされない加害者親。家庭不介入方針で非協力的な警察。そして加害者親と同等に悪質な児童相談所と福祉事務所。この頃と比べたら、今では隔世の感がある程システム化が進んでいる。各組織の信頼性も増した。しかし未だ加害者親を”虐待の連鎖”の被害者として扱おうとする風潮がある。人権派だけは全く成長しないんだね。2015/11/01
みん
0
親になって、子供たちを育て上げた自分にとっては、不可解な児童虐待。そのなかでもネグレクトは、子供にとってつらいだろうなぁ。やはり、家庭内や夫婦間の歪がこういうことを生み出すんだろうかと思ってみる。でも、そういった歪を助けるような社会的支援がないことにも驚きです。現在ではかなり改善はされているんだろうけど、時折聞くTVのニュースでは、まだまだ行き届いてはいないようである。弱者は幼い子供っていうのが、つらいよなぁ。2014/09/12
spock0106
0
1980年から90年にかけての報告。社会でも問題になってきた頃。命の危機にさらされるほどの被害があるのに、逃げ腰な児童相談所などがはがゆい。2012/03/20
パ
0
1994年時点ではネグレクトという言葉が一般的ではなかったことに驚いたが確かに自分が意識してる昔ですらそんな感じだったような気もする 現状どうなんだろうな 寄り添いの心修羅すぎる2021/12/20
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