集英社文庫<br> 孤高の棋士 坂田三吉伝

集英社文庫
孤高の棋士 坂田三吉伝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 354p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087471724
  • NDC分類 796
  • Cコード C0195

内容説明

昭和12年2月。京都。対手は東の雄、木村義雄。坂田三吉は初手を受けて端歩を突いた。9四歩。これがいまなお伝説の空前の一手であった。天下分け目の対決でなぜ一手捨てたのか?50年の時を経て、著者がこの謎に正面から挑む。孤高の男、坂田三吉の実像をとらえ、棋界の近代史を描き、さらに関東と関西の文化の差異にも迫る!将棋ペンクラブ大賞受賞の入魂の長篇ノンフィクション。

目次

第1章 端歩突き
第2章 武者修行
第3章 西の坂田、東の関根
第4章 二人の名人
第5章 9四歩の謎

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ランフランコ

6
三吉は生い立ちも将棋スタイルも大阪人に好まれる要素満点で、現在にこのようなタイプの棋士がいれば私も応援したくなるだろう。当時から大阪人の東京に対する敵対心というものは相当なものがあり、それ故に関西のパトロン達に振り回され、かなり気の毒な境遇に追い込まれている。それにより悲劇のヒーローとなり現在にまでその名が轟いているとも言えないか?実際私は三吉のライバルだった関根金次郎は知らなかった。というか三吉以外の登場人物は全く知らないのでただ無知なだけかもしれないが。三吉を思う気持ちは阪神ファンの気持ちと同じだな。2017/12/27

GOKU

3
三吉の生きた時代や関東と関西の将棋界の対立がよくわかり、関西名人を名乗った理由の推測にも納得できた。劇や映画では字を知らない型破りな将棋指しと描かれているが、歳を重ね悟りの境地に達し、美意識を持ち綺麗な棋譜を残すよう努めていた事はこの本を読むまで知らなかった。後手94歩を指した心境を様々な説を紹介しながら、著者の推測をしているが、これにも納得出来た。それにしても、70近い老人が、しかも16年ものブランクをおいて、今で言うA級棋士相手に7勝8敗とほぼ指し分けの成績を残すとは!三吉の棋譜が見たくなった。2014/05/19

3104

0
著者の思い入れが強いのか、余り入り込めず。当時の風俗等も特に目新しい事項は無く再読はない。2013/12/12

うたまる

0
明治~昭和初期に活躍した破天荒な天才棋士、坂田三吉の評伝。人物の背景となる風俗や社会情勢なども精緻に描き、数多く読んできた評伝の中でも出色の出来。特に序盤から伝説となっている端歩突きの謎を追い錚々たる現役棋士の見解を引き出していく様は、下手なミステリーより幻惑的で惹きつけられた。中盤辺りは筆致がくどくなるが、終盤に向けての考察は力強い。虚像と実像、合理主義と自由主義、坂田三吉を通じて棋界と日本社会の変遷を見事に活写している。「坂田は死んで、坂田将棋が残った」など、感情が入りまくった表現も多彩で楽しい。2013/07/23

shouga123

0
そもそも坂田三吉を知らなかったがこんな気骨のある武士のような求道者のような人がいるのかと引き込まれた。後半必要以上に現代の効率化に否定的なのに引っかかるがそれを抜きにしても自分が納得するかどうかを一番に考える人は魅力的だと思った2021/11/25

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