内容説明
「僕」はレズビアン・バーに男役として勤める女。冴子という美女と同棲している。胸にさらしを巻いた店長の麻生にも、金持ちのパトロネーゼがいる。だが「僕」の心には麻生がいて、麻生もまた…。麻生の入院をきっかけに、愛を確認したふたりだが、いざベッドインすることになって男役同士、女になって愛されることができない。ばりばりスタンダードなレズビアンたちの切ない「純愛」の行方は。第7回小説すばる新人賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
56
20年前のすばる新人賞受賞作。男子禁制レズバーで働くいわゆる「おなべ女性」が主人公。第一人称が僕だったりオレだったりするので性別が紛らわしくてはじめ戸惑ったけど、かなり興味深くて、良かったと思う。それにしても、そんなとこに金魚をいれてはいけないし、それで感じてはいけない。金魚が可哀想です!ただし、セックスの遊戯性の極北までいったこのシーンから急激に物語は展開して、ひたすら性別を超えた純愛へと進んでいきます。2016/08/27
ナコち
5
再読。男役、女役ってことを考えさせてくれるお話。バリタチの為、譲れない葛藤。当時は、考え方とかに感化されて鬱な話だったが、再読するとそうでもない。鈍感になったことを喜ぶべきか否か……2014/04/10
ゆずぴ
2
結局男でも女でも迷ったり悩んだりするのは一緒というかそれがちょっとひとつプラスで面倒なものが増えているのだなあと。今後二人はどうなるのかなあ。やっぱり普通に別れたりするのかもしれないけど麻生の方が生きていくのは大変そう。もう少し自分に対してやさしく…というかなんていうんだろうなー納得できるといいなあと思う。2014/12/11
せいや
2
なんとなく借りた本だったけどばっちし引き込まれました。読んだの結構前になるので、ちゃんと購入して読みなおして、感想はそれから書きたい。2011/08/08
azimuth
2
役割や立場は本来相手とうまくやっていくために適宜調整されるべき相対的なものなのだから、固執してはいけないんだなあ。麻生も受け入れられるといいね。2010/08/09