出版社内容情報
東京駅赤レンガ駅舎の中にある、静かな空間、東京ステーションホテル。多くの著名人・賓客を迎え、また数かずの文学作品の舞台ともなった名門クラシックホテルの歴史と魅力を綴るノンフィクション。
内容説明
東京駅赤レンガ駅舎の中の小さなホテル、東京ステーションホテル。東京駅に出入りする電車群を眺めながら憩えるレストラン、丸の内南口を見おろせる隠れ家のような客室。このホテルを舞台に松本清張の『点と線』、川端康成の『女であること』、夏樹静子の『東京駅で消えた』などの名作が生まれた。80年以上の歴史を有し、個性豊かな名門ホテルの歩みとエピソードを鉄道史にからめて綴る。
目次
第1部 東京ステーションホテルへの誘い(松本清張をめぐる『点と線』;森瑤子の『ホテル・ストーリー』に登場;怪人二十面相と明智小五郎の対決;川端康成と内田百〓ゆかりの間 ほか)
第2部 東京駅と共に歩んだ80年(中央停車場の誕生;東京ステーションホテルの開業;関東大震災に揺るがず;東京鉄道ホテル転換から空襲被災 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばう
72
★★ ステーションホテルには密かに憧れていたので図書館で借りてきましたが想像していた感じとはちょっと違いました。それほど分厚い本でもないし、すぐ読み終わるかと思っていたら予想外に苦戦💧第一部は松本清張、江戸川乱歩、川端康成など文豪の作品との関わり、ステーションホテルにまつわる様々なエピソードなど。ここは何とかクリアしましたが第二部のホテルの歴史に関する話は中々歯が立たず最後は久しぶりの流し読みで読了。鉄道の歴史などに興味のある方だったら面白く読めるかも。2021/10/20
saga
32
赤レンガの丸の内駅舎内にあるホテル。表紙絵の戦後仮復旧した駅舎の時に知り、ネット会員になるも宿泊する機会がなく、2012年に駅舎が再開業して現在に至るまで宿泊できていないが、いつかは泊まりたい憧れのホテルだ。その立地から中央停車場(東京駅)と国鉄・JRの歴史に紙面を多く割いているのは致し方ないことだ。内田百閒の『東京日記』『東京焼盡』も併せて読みたくなった。2016/06/18
ぶんこ
32
小さな本なのに、実に緻密な情報量で圧倒されました。 東京に、しかも東京駅近くに住んでいるので、一度は泊まりたいと憧れつつ、勿体無いと実現出来ていません。 部屋の窓から駅のホームを眺めたり、反対側の丸の内南口改札を覗いたり・・小説の中の登場人物になったかのような気分になれるのでしょうね。 気難しい作家さん、気さくな作家さんの話。 チップの話。 行方不明の50トンにも及ぶ疎開調度品、絵画等、興味津々でした。 読み終えるのに、かなりの時間がかかりました。2014/10/02
山口透析鉄
28
私はこれ、単行本を図書館本で読みました。 東京駅のホテル、泊まった経験はありませんが、丸の内口側にあるのは知っていました。松本清張さんのよく使っていた部屋とかは、TVのテツ番組・旅番組の類でも紹介されていましたね。 本にも出てきますが、デイユース、意外?にお泊まり需要もあるようで、今はもう、リニューアルされているはずです。1999/11/27
かっぱ
28
一生に一度は泊まってみたい東京ステーションホテル。東京駅と同じ年数の歴史を持つ。松本清張の「点と線」、森瑤子の「ホテル・ストーリー」、江戸川乱歩の怪人二十面相と明智小五郎の対決の場所、川端康成の「女であること」、夏樹静子の「東京駅で消えた」に登場し、鉄道旅好きの内田百閒から愛された老舗ホテル。ホテルが歩んだ歴史は日本の鉄道の歴史でもある。高層化計画は何度かあったようだが、東京駅はホテルとともに創建当時の姿をいまも残している。2016/03/27