出版社内容情報
会社は私たち社員で動いている!
不祥事を起こしてしまった中小企業の鴨之木製麺工業。そこで、役職も理念も異なる社員たちがそれぞれの立場で懸命に生きる姿をまっすぐ描く。笑いあり、涙ありの新しい会社小説。(解説/東えりか)
内容説明
ワンマン会社の鴨之木製麺工業で、派遣社員として働く加奈子。ある日、田布勢部長からセクハラまがいの仕事を言いつけられたことを愚痴ったところ、社内の派閥争いに思わぬ影響が生じて―。麺の開発部に飛ばされたデザイナー、工場でフォークリフトを操る元走り屋、内部告発を試みる経理部OLなど、不祥事に揺れる中堅企業で奮闘する社員たちを描いた長編小説。
著者等紹介
原宏一[ハラコウイチ]
1954年長野県生まれ。早稲田大学卒業後、コピーライターを経て、97年『かつどん協議会』でデビュー。現代社会を風刺した『床下仙人』が書店員の熱烈な支持を受けてベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
104
何気なく手に取ったのですが、のめり込んでしまいました。メーカー系企業における方であれば(もしくはそうでない方も)、作中に登場する「何か」が当てはまるのではないかと思いました。つまり、多かれ少なかれ大小企業問わずに存在する「何か」の正体こそ組織における不合理的内在的理論ではないかと思いました。また、この不合理的内在的理論を知った上でどうするかこそが自己における働き方改革なのかもしれないとも思ったりもしています。2022/10/20
ぶんこ
72
途中入社の一人の営業部長の強気体制が、製麺会社を潰してしまった。そう思えました。トップに立つ人がイエスマンに弱いと怖いですね。周囲の人からは「何でこんな人が重用されるのか。可愛がられるのか?」という事、結構たくさん見受けられますが、一歩間違うと企業の土台が崩れると教えてくれてました。「社内が乱れてくるとトイレの汚れもひどくなる」これも、ちょっとした気配り、使う人どうしがお互いを思いやる気持ちが損なわれてきたからでしょう。やり甲斐のある仕事を信頼出来る人達と出来る幸せ。白石さんや勇気ある人々にエール。2017/05/23
しょーくん@本棚再編中
62
★★★★★★☆☆☆☆原さんらしく、社会風刺的なブラックユーモアを織り交ぜながら、中堅食品企業の崩壊と再出発を描いた連作短編です。うん、わかるわかるという描写もあって楽しめましたし、再出発という茨の道を選んだ新生鴨之木製麺の方々の成功を願いたいです。2016/01/06
siro
52
以前に読友さんからオススメ頂いた「トイレのポツポツ」文庫で「シャイン!」と改題していたのですね。探しても無いはずです。私自身、仕事をする上でハッとさせられる言葉もありました。利益やコストも大事だけれども人間関係を疎かにしていては良い結果は産まれない。綺麗事かもしれないし、必ずしも良い人間関係ばかりでは無いはずだけれども。でも仕事をしている自分を誇れるような会社で働きたい。そうであって欲しいと思う。ラストはスッキリでとても面白かったです!2016/09/08
chikara
49
やらされている仕事ではなく、自らやらなければならない、もしくはやりたい仕事をする社員が多く居る会社は強い。仕事は常に分業ではあるが、それぞれのパートにやり甲斐を見せているか?やっている方に感謝しているか?これが大事だな。良いお仕事小説でした!2017/05/09