出版社内容情報
人気作家が若者に贈る好評エッセイ第2弾
時代の風が冷え込み、元気のない日本。格差社会といわれるけれど、心まで格差をつけないで──。窮屈な「今」を生きる若者たちに向けて、あたたかな言葉で背中を押す、好評エッセイ第2弾。(解説/橋本紀子)
内容説明
時代の風が冷えこんで、ぼくたちの社会は余裕を失い、仕事に就くことも続けることも難しくなった。恋愛に向けるエネルギーさえ減っている。そんな若い世代に、人気作家があたたかなエールをおくるエッセイ集。東日本大震災後の「今」を見つめた文庫版あとがきも収録。
目次
心まで格差をつけないで
「でも」の年
世界を切り取ろう
「迷う」力の素晴らしさ
ラブ・キャンペーン
「いやらしい」を表現しよう
植物化する男たち
恋したくない男たちの攻略法
青いランドセル
新しい人よ、きたれ〔ほか〕
著者等紹介
石田衣良[イシダイラ]
1960年東京都生まれ。97年『池袋ウエストゲートパーク』でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEENフォーティーン』で直木賞を、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまねっと
27
石田衣良を読むのは初めて。小説ではなくエッセイ。あまり好きな作家ではない。なんか鼻につくから敬遠していたんだよね。でも、友人からもらったので、勿体無いから読んだ感じ。読んで、至極真っ当な方だと言うのが本音である。 2005年から2007年は個人としてとても宙ぶらりんな生活を送っていたので、読んでて当時の記憶が断片的に蘇った。自分にとっても激動な時代を生きていたんだなと思った。 就職氷河期と呼ばれる時代に入るのだが、おかしな時代だった。今の25歳くらいの子達が読んだらどう思うだろうか。そのことが気になった。2025/03/21
いずむ
23
いいから読め。少なくともボクより若い人は全員。そう思うだけの、ホントに珠玉のメッセージの宝庫。面白いとか楽しいとか、どうでもいい。不愉快だろうが興味がなかろうが、そう判断するために、一度真剣に自分と向き合って、正直な答えを出す必要のあるコトが、世の中にはあるんだ。石田さんに傾倒しろ、って言いたいんじゃない。でも、石田さんくらい、今、ボクたちに考えるキッカケを与えてくれる人はいないんだ!ホントに貴重なんだ!自分のために、自分が繋ぐ未来のために。無料で読めたR25の1コーナーだけど、ぜひ買って、読んで欲しい。2012/02/02
ぜんこう
20
『R25』連載のエッセイのうち2006年~2008年2月までを文庫本にしたもの。年代的に同じくらいだし(←R25じゃなく石田衣良さんとね)、共感できることが多い。 「ぼくは世間とは逆のことをやっておけば、だいたいそれで間違いないと思っている」と言い切るのがすごいし憧れる。 僕も人と違うって好きだけど、そこまで言い切れないから(^^;) 時々、石田衣良さんの小説も読むけど、このエッセイのシリーズ(?)も含め、他のエッセイも読んでみたい。2015/06/23
Ryo
10
図書館。タイトルに惹かれて着手。色々印象的で面白かった。「植物化はいってみれば欲望の引きこもり状態である。どうせ欲望が実現不可能なら、欲望をもつほど自分が傷つく。」これはわかるなあ^^;「あなたが自分の意志で決めたのならそれがどんな選択でも、きっとそれが正解だ。(中略)簡単にわかってしまうような人生なんて、そもそも生きるに値しないのだ。」「子どもマーケットの奴隷たち」は他の本でもこんな内容見た気がする。「サッカーは狩猟民族のスポーツで、日本人の和の精神とは根本的にそぐわないところがある」は鋭い視点だと→2013/10/03
ふるふる
9
リーマンショック前に書かれたエッセイであるため、当時は景気が上向いていたんだっけ?と懐かしく思う(自分には恩恵はなかったけど)部分もあり、この頃使われ始めた社会現象を表す言葉の多くが今やすっかり定着してしまったんだな、と思ったり。衣良さんのあたたかな筆致が心地いい。『ハイヤーの趣味人』が一番好き。2015/01/18