出版社内容情報
瑞々しく描かれる平清盛の青春と恋
平家の棟梁息子、清盛。ある日、自分が父の本当の子ではなく後白河法皇の落胤だと知ってしまい……。傷つき、迷いながらも成長する平清盛の青年時代を鮮やかに描く大河ロマン!
内容説明
貴族社会で武士が力を蓄えつつある平安末期。武家の二大勢力のひとつ、平家の総領息子の清盛は十九歳。海賊討伐に赴いた西国で出会い、戦の犠牲になった娘のことが忘れられずにいた。そんなある日、清盛は自らの出生の秘密を知ってしまう。苦悩し悲嘆にくれる彼の前に、西国の娘に似た乙女が現れ…。傷つき、迷いながらも成長する等身大の青年・清盛の姿を鮮やかに描く、書き下ろし大河ロマン。
著者等紹介
瀬川貴次[セガワタカツグ]
1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。また、瀬川ことび名義での著書もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キャプテン
59
★★★☆☆_「きゃぷ衛門とゆく時の旅フェア」【西暦1135年/平安時代後期編】雅なる時代、平安。その後期を象徴する、平清盛殿に密着してきたでござる。平清盛殿は、後の太政大臣を務める人物で、本書ではその青春時代を描く。やはり雅な文化らしく、平清盛殿の若き戦いは、その生い立ち、そして出会う男を全てを虜にする女狐とのものであった。特に、その女狐の顔を拝むか逃げ切るかな攻防は手に汗握り申した。さて、次の時代に向けて旅を続けることに致す。この先の時代は、血の時代といえるもの。拙者も気を入れなおさねばなるまひまひ。2017/10/23
ティーチピー
29
平家物語スピンオフとして読みました。強欲なイメージの平清盛でしたが、その若き日の話でまったくイメージと違って新鮮でした。 共食いの源氏に対して、身内を愛するあまりあのような強欲な晩年になったのかなと思えば、この作品がすんなり受け入れられました。 瀬戸内にこだわる理由や、幼名で正体不明だった人物が実は…のような小技も効いていて楽しく読めました。2021/09/28
ダージリン
21
この時代の私の知識は大河ドラマ「義経」だったりするので、いろいろと新鮮でした(笑)。後の時代のあの人この人を想像して楽しみました~。清盛さんは好青年だし、時子さんと四の宮様も可愛かったです。そして今年の大河ドラマへの期待が高まるのでした(笑)。2012/01/03
紅蓮
13
なんかめちゃめちゃ平氏に興味がわいちゃって、新たな境地が開かれそうです・・・(笑)源氏に関しては、富樫倫太郎さんの陰陽寮とか、晴明の時代あたりだと結構絡みが多いので、名前はよく知っていたのですが、何しろ乱暴者が多くて、イマイチこの時代の武士に興味がわかなかったのですが、この本に描かれている清盛はホントに格好いい・・・(笑)ただひたすら格好良くって、でもこの優しさが結局その後の平氏の運命を決めてしまったのだなと思うと、やりきれない思いがします。って、もうすっかり平氏贔屓になってしまった(笑)2013/11/19
BIN
12
若き平清盛を描いた作品。白河法皇のご落胤だと知って苦悩する姿や恋愛模様を描いており、承久の乱までも行ってないです。三高揃った美男子として描かれ、寛大だけど尻に敷かれてそうな父の平忠盛、朋友にして実は有名人になる佐藤則清、妖しい美少年四ノ宮、ラスボス的に登場する魔性の女待賢門院璋子と個性豊かなキャラクタ達と飽きることなくさらっと読めました。これはいい清盛だった。2016/07/26