出版社内容情報
愛する人の悩みに、僕は何ができるのか
働いている老人ホームの経営者が代わり、入居者が追い出されないか心配するかれん。かれん自身もリストラに遭う可能性があるらしい。悩むかれんに、勝利ができることは…?
内容説明
僕はいったい、どんなことでなら頑張れるんだろう…。勝利は本格的な就職活動の時期を迎えるが、自分が何をやりたいのかがわからず、漠然とした将来への不安を覚える。そして、いま、大きな困難に直面しているかれん。仕事のこと、おばあちゃんのこと、悩みながらも精一杯お年寄りの世話をする日々。責任とは、社会的立場とは…、大人への転換期に戸惑う勝利。セカンドシーズン第4弾。
著者等紹介
村山由佳[ムラヤマユカ]
1964年7月東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て、93年『天使の卵―エンジェルス・エッグ』で第6回小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で第22回柴田錬三郎賞、第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優愛
72
「なんにも無駄にはなんないよ。絶対に」だから風見鶏でのバイトのことも全部思ったままに、後悔なんかしないように行動してほしいけれどそうもいかないのもまた事実とあって厳しい。そしてかれんが落ち着いてきたかと思えば退職の危機に陥ったりとまたも不穏な雰囲気が漂ってきました。子供を身籠った由里子に、そして不運が重なってばかりの勝利にどうか何事も起こりませんように、と願わずにはいられない驚きのラスト。たとえ勝利がかれんの言う通り雨男だったとしても、もうかれんの涙も勝利自身の涙も見たくない。欲しいのはただ穏やかな日々。2014/12/17
だまだまこ
53
おいコー再読、14冊目。ついにここまでたどり着いてしまった。勝利の新たな苦悩の始まりとなる「凍える月」…。かれんとの仲が安定してきたと思った矢先の悲しい出来事。先の展開がわかっているからこそ、読み進めたくない気持ちと、勝利と一緒に乗り越えていかなきゃいけない気持ちとの葛藤がある。勝利が悩めば悩むほど、マスターの人生論や生き様がどっしりかっこよく見えて、周りの登場人物たちが生き生きとしてくるように感じる。新刊で読んでいた当時、次が出るまでの一年が途轍もなく長く感じたな…。2020/06/04
扉のこちら側
52
初読。切られた髪の謎。悲劇を予感させる終わりかた。2012/08/24
えりこんぐ
50
2ndシーズン④。遠距離恋愛も慣れてきたのかな。アポ無しで会いにきてくれるのは本当に嬉しいと思う。特に自分が弱ってる時なら。って最後...これかなりヤバい事になる? 次を読むのが怖い気もする。。【積読17】2021/02/01
takaC
47
年一ペースからの脱却宣言は評価したい。でも、一冊あたりの進展ももっと深めていただきたい。2011/07/13