内容説明
白刃をもってせまる相手を切らずに制する兵法、柳生新陰流。剣法だけでなく、人の心も同じ。圧力を高めすぎれば、反発が起きるもの。十兵衛は全国を行脚しながら、千を超える浪人を直弟子として、この平和の剣を伝える。指南は微に入り細をうがち、兵法の理が明かされてゆく。その真の目的とは。一武芸者として、隠密として、徳川の忠臣として、そして人間として、十兵衛の生き様、苦悩を描く。
著者等紹介
多田容子[タダヨウコ]
1971年生まれ。京都大学経済学部卒業。99年、剣豪小説『双眼』でデビュー。柳生新陰流、小転中伝。2004年、兵庫県芸術奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アニータ
1
柳生十兵衛三巌の公儀隠密としての働きと葛藤のようなものを描いています。十兵衛も圧倒的な兵法の技をもつが、但馬守(宗矩)はさすが。十兵衛を制する技と精神を備えていますね。十兵衛に仕える予助が何やら健気でいい感じです。十兵衛は44歳という若さで生涯を終えたとは知りませんでした。2018/12/17
ごりぞう
1
柳生流というのが本当にこの小説に書かれているのと同じものなら・・・。そんな想いで読んだ。人間臭い十兵衛が良いのか、そうでない十兵衛が良いのか。2013/05/08
葉月あき
1
なんだかんだで伝奇小説に毒されまくってる身としては、ある意味新鮮なキャラ設定だった。物語としては今一つ盛り上がりに欠けた感があるか。2009/09/21