内容説明
狷介にして頑迷、へそ曲がりの文士なるわが師、山本周五郎。一点の見誤りもないほどの鋭さの底に、しかし深い悲しみと慈愛を秘めていた。真摯であることによって、心が救われる姿を物語にし、人生の共感を呼んだ作家―。昭和27年頃から、横浜の周五郎宅へ通い、師の姿を間近で見つめ、教えを受けた著者が、敬愛の念を持って描く。初めて明かされる素顔の周五郎と、弟子の魂の交流と文学世界。
目次
プロローグ 周五郎の到達点
出会いのころ
下町の「おたふく姉妹」
「弱い」人間への共感
人間の運命と絆
橋本左内の涙
『よじょう』と宮本武蔵
岡場所の男と女
路地の人びと
「いい小説」と「悪い小説」
晩年の周五郎さん
山本周五郎文学紀行
著者等紹介
早乙女貢[サオトメミツグ]
1926年、中国ハルビン生まれ。戦後、山本周五郎の知遇を得、作家となる。68年『僑人の檻』で第60回直木賞受賞。89年、独自の歴史観が結実した大河小説『会津士魂』で第23回吉川英治文学賞を受賞。2008年12月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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