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集英社文庫
心中小説名作選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 274p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087463774
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

内容説明

家族の残酷な死を、詩の如く昇華した、川端康成「心中」。戦争に翻弄された三人の男女、田宮虎彦「銀心中」。現実から逃避し愛欲に溺れる二人、大岡昇平「来宮心中」。江戸時代の庶民の心中を俯瞰的に物語る、司馬遼太郎「村の心中」。少女と孤独な魂を通わせた男の虚無、笹沢左保「六本木心中」。男女の業と欲の凄まじさを描ききった、梶山季之「那覇心中」。昭和の文豪たちが巧みに描く情念の世界。全6編。

著者等紹介

藤本義一[フジモトギイチ]
1933年1月26日大阪生まれ。大阪府立大経済学部卒業。在学中に芸術祭の脚本で文部大臣賞を得る。68年処女作『ちりめんじゃこ』を刊行、文壇の注目を浴び、74年『鬼の詩』で直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みつ@---暗転。

2
**** 純文作家から文芸作家まで、大正昭和に発表された「心中」を冠する6篇。文学的概念の「心中」というよりは、ジャンルとしての「心中小説」寄りか。やはり読みやすさ(先が気になるという意を含めて)では、後半に収録された「六本木心中」「那覇心中」。展開が推理小説めいていたり、男女の他人には理解できないような痴情の果てだったりとエンタメ的であり、俗っぽいという意見もありそうだが、個人的にはこの2作が特に楽しめた。巻末の対談も興味深く、これまでは描かれる対象だった「女性」作家の「心中小説」が読んでみたくなった。2017/09/09

冨井 丸

1
★3.0 一言で言えば、面白かった。世の中に心中小説って幾つくらいあるんでしょうね。200くらいあるんですかね。その中から選ばれた6編。なんと文庫化に伴い太宰治と水上勉と野坂昭如の3編が大人の事情か何かで削除されていた。これが非常に残念。是非、読みたかった。それにしても「心中」に惹かれるのは何故でしょうか。怖いもの見たさというヤツでしょうか。他人の不幸は蜜の味的なアレでしょうか。一緒に死んでくれるほど女に愛されたいからでしょうか。それとも、「心中」というのはやっぱりキラキラしているんでようか。2023/04/24

1
再読。色々な作家の色々な形の心中集。現代では過去よりも身分の差がなくなり情死は少なくなってきた気がする。欧州はキリスト教で生きることが善だから心中は少ない。文化の違いを感じる。日本で有名な心中といえば太宰、有島だろうか。有島の遺書には『愛の前に死がかくまで無力なものだとは此瞬間まで思はなかつた』というのがある。那覇心中の『恋には年齢の隔たりも貴賤はない』という言葉が重なった。共に死ねる程愛せるものがあるのは正直羨ましい。2017/12/29

シン

1
B評価。良い作品が多い短編集。2008/02/20

水戸

1
六人の作家の、時代の違う心中ものが載っています。だまし絵のような感覚の心中、ひそやかな哀愁と妄想じみた想いの心中、さみしさと優しさからくる共感の心中、はたからみれば理解不能な、けれど当人たちの心情を思えば仕方がないとやるせない気持ちにさせられる心中などなど……。最後に掲載されていた対談も興味深かった。2015/07/17

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