集英社文庫
露の身ながら―往復書簡 いのちへの対話

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  • サイズ 文庫判/ページ数 299p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087463439
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

突然の脳梗塞で、声を失い右半身不随となった免疫学者・多田富雄と、原因不明の難病の末、安楽死を考えた遺伝学者・柳澤桂子。二人の生命科学者が闘病の中、科学の枠を越えて語り合う珠玉の書簡集。いのち・老い・病・家族・愛・科学・戦争・遺伝子・芸術・宗教・平和とは何なのか…。

目次

病で歩けなくなり、完全に寝たきりで二年間過ごしました
私の文章で勇気が与えられるなら、もう一度本気で書いてみよう
車椅子に乗る時はおしゃれをして乗ります
病気を持つ者と介護する者の問題について
文化はDNAの直接的な支配からは自由です
人類はDNAとも違う何ものかに導かれて文化を創り出している
「赤い」と「りんご」は、脳の中で「赤いりんご」になる
大切なのはロジック、明晰な観察能力、それに感動を表現する努力
クローンの怖さ
ゲノムは人権そのもの、クローン反対は生命科学者の責任〔ほか〕

著者等紹介

多田富雄[タダトミオ]
1934年生まれ。東京大学名誉教授。免疫学者。95年、国際免疫学会連合会長。抑制T細胞を発見。野口英世記念医学賞等内外多数の賞を受賞。2001年、脳梗塞で倒れ声を失い、右半身不随となるが、リハビリを行いながら著作活動を続ける。能楽にも造詣が深く「望恨歌」など新作能の作者としても知られる

柳澤桂子[ヤナギサワケイコ]
1938年生まれ。お茶の水女子大学名誉博士。遺伝学者。サイエンスライター。三菱化成生命科学研究所主任研究員。世界に先駆けT遺伝子の研究をしていた69年、原因不明の難病を発症して研究生活を断念。激痛と戦いながら生命科学の啓蒙書を通じ「いのちの大切さ」を訴え続けて、多くの賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あゆみた

3
お二人とも大変な病を得、日々の生活に困難と忍耐を強いられながらもご自分達が生きる意味を追い、後世につないでゆく地球や人類のためにご自分達がなすべきことを追い続ける。身体は思うに任せなくても魂は自由だな、どこまでも豊かでいられるんだ、と深く深く心を打たれました。お二人の著作、読んでみたいと思います。2010/10/28

えす

3
どんなに多彩で叡智があっても、どんなに外見が美しくて魅力にあふれていても、病と死からは免れることができないのだなあと実感。それでも倒れたあと、死に直面した時、どういう態度で残りの生と向き合うかは、それまで過ごした日々の積み重ねがモノを言うのだなと思った。2010/10/10

Takehiko Kubota

2
政治家 研究者 医者 一般の人にも 読んでほしい素敵な往復書簡 2015/09/01

みつひめ

2
お二人とも、身体は大変な状態なんだけれど、それに負けないところがさすがです。そして、お二人のご家族もすばらしい。2010/02/05

bittersweet symphony

1
障害をお持ちのおふたりによる1年半の往復書簡集。従前の家庭環境などやはり恵まれていたがゆえの「物思う力」があるのだろうなというのが一番感じられるところ。多田富雄さんが梗塞で倒れられてそれほど経たない時期のものであるというのもありますが、柳澤桂子さんのあとがきから、その時々の多田さんの状況の書面からの汲み取り方から女性の包容力・強さを改めて感じました。多田さんがあげられていた小林一茶の句が強く印象に残ったので引用しておきます。 露の世は露の世ながらさりながら 小林一茶 2010/02/19

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