内容説明
突然の脳梗塞で、声を失い右半身不随となった免疫学者・多田富雄と、原因不明の難病の末、安楽死を考えた遺伝学者・柳澤桂子。二人の生命科学者が闘病の中、科学の枠を越えて語り合う珠玉の書簡集。いのち・老い・病・家族・愛・科学・戦争・遺伝子・芸術・宗教・平和とは何なのか…。
目次
病で歩けなくなり、完全に寝たきりで二年間過ごしました
私の文章で勇気が与えられるなら、もう一度本気で書いてみよう
車椅子に乗る時はおしゃれをして乗ります
病気を持つ者と介護する者の問題について
文化はDNAの直接的な支配からは自由です
人類はDNAとも違う何ものかに導かれて文化を創り出している
「赤い」と「りんご」は、脳の中で「赤いりんご」になる
大切なのはロジック、明晰な観察能力、それに感動を表現する努力
クローンの怖さ
ゲノムは人権そのもの、クローン反対は生命科学者の責任〔ほか〕
著者等紹介
多田富雄[タダトミオ]
1934年生まれ。東京大学名誉教授。免疫学者。95年、国際免疫学会連合会長。抑制T細胞を発見。野口英世記念医学賞等内外多数の賞を受賞。2001年、脳梗塞で倒れ声を失い、右半身不随となるが、リハビリを行いながら著作活動を続ける。能楽にも造詣が深く「望恨歌」など新作能の作者としても知られる
柳澤桂子[ヤナギサワケイコ]
1938年生まれ。お茶の水女子大学名誉博士。遺伝学者。サイエンスライター。三菱化成生命科学研究所主任研究員。世界に先駆けT遺伝子の研究をしていた69年、原因不明の難病を発症して研究生活を断念。激痛と戦いながら生命科学の啓蒙書を通じ「いのちの大切さ」を訴え続けて、多くの賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あゆみた
えす
Takehiko Kubota
みつひめ
bittersweet symphony