内容説明
610年のある夜、アラブの商人ムハンマドは、神の啓示を聞く。イスラーム創生の瞬間であった。新宗教は人々の心を捕らえ、燎原の火のごとく広がり、早くも8世紀には世界帝国を形成した。一方、ヨーロッパでは、カール大帝がキリスト教の守護者として、西ローマ帝国の帝冠を受けた。イスラーム世界とキリスト教世界、互いに強烈な個性を放つ文明は、必然的に衝突する。ついに十字軍遠征が始まった。
目次
第1章 カール大帝とヨーロッパの成立
第2章 カノッサの屈辱
第3章 十字軍と都市商人
第4章 百年戦争とジャンヌ=ダルク
第5章 ムハンマドの生涯
第6章 アッラシードとバクダード
第7章 サラディンと十字軍
第8章 オスマン帝国とスレイマン大帝
著者等紹介
河原温[カワハラアツシ]
1957年東京都に生まれる。東京大学文学部卒業後、東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。山梨大学助教授を経て、首都大学東京都市教養学部教授。専門はヨーロッパ中世・ルネサンス史、都市社会史
後藤明[ゴトウアキラ]
1941年長野県に生まれる。東京大学文学部卒業後、東京大学大学院文学研究科博士課程修了。(財)東洋文庫研究員、山形大学助教授、東京大学教授を経て、東洋大学文学部教授。専門は西アジア史およびイスラーム史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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(C17H26O4)
76
高校生のとき世界史選択でした。あれからいったい幾年月…意外なことに?様々な名称や事柄、けっこう細かいところまで「意味を忘れてしまった単語」として無駄に記憶に残っていてw、こんな人いたねえ、こんな出来事あったねえ、わーこの言葉の響き懐かしい!なんて思いながら読み進めています。でもスレイマン1世さん、ごめんなさい。わたしあなたのこと完璧に記憶から消し去っておりました。スレイマン=モスクという世界遺産まであるのに…。2020/05/11
hiro
72
先日読んだ池上彰さんと増田ユリヤさんの『世界史で読み解く現代ニュース<宗教編> 』のおかげで、この本で書かれている宗教に関係することは事前に学習済みだった。この第3巻では、イムラム教創生と広がり、イムラム教・キリスト教・ユダヤ教の関係、後世にいろいろな影響を与えた十字軍遠征など、現代世界で起きていることを知るために必要な基礎知識を得ることができる。もちろんムハンマドは登場するが、顔は描かれていない。その他には、なぜか言葉は覚えている‘カノッサの屈辱’や、あのジャンヌ=ダルクが活躍する百年戦争が登場する。2015/07/21
糜竺(びじく)
38
世界史を学んでみようと思い、マンガで読む事にしました。第三巻です。カール大帝、カノッサの屈辱、十字軍、百年戦争とジャンヌダルク、イスラム教の興り、イスラム王朝の歴史など取り上げられていました。私としては、偏見持たないよう気をつけていますが、漠然とイスラム教の国について謎めいてる感じがしていました。しかし、この巻を読んで、イスラムの指導者達にも立派な人達がいたんだなと、改めて知らされました。それに、オスマン帝国の繁栄ぶりにも驚かされました。世界史を学ぶと、現在の世界に対する見方が本当に変わるなと思いました。2018/07/24
nbhd
11
第3巻「十字軍、イスラーム」で想起した物事まとめ。①大陸領土を喪失してしまった英国王ジョン「欠地王」…「ケッチオウ」って間抜けだ。②ポタージュの「ポ」は、仏語で「鍋」のこと。③偶像NGだから、もちろんムハンマドの顔は一切描かれていない…漫画的手法として、とても良い。④ムハンマドの預言、初めの言葉は「これを読め!!」だった(佐々木中「切りとれ、あの祈る手を」)。2018/12/16
海藍
10
3巻目は中世ヨーロッパとイスラム世界。中世ヨーロッパでは西ローマ帝国滅亡後からの解説。キリスト教が広く布教されたことで、教皇と皇帝の関係性が謳われている。そして十字軍とジャンヌ・ダルクの記載も有り。 イスラムの章では預言者ムハンマドの登場からイスラム教の布教まで。この辺りはアラビアンナイトにも出てくる、ハールーン=アッラシードの時代。後半には十字軍との絡みもあり。2013/07/18