内容説明
遠距離恋愛を始めたふたり。最初はうまくいっていたが、やがてかれんと連絡が全く取れなくなってしまう。気持ちまで離れてしまったのではないか。僕がそばにいなくても平気なのではないか。部活でのスランプからも抜け出せずに焦る勝利は、とうとう激情のままにかれんを深く傷つけてしまい…。ふたりの恋はどこへたどりつくのか―。切なく胸をしめつける人気シリーズ、第一シーズン完結。
著者等紹介
村山由佳[ムラヤマユカ]
1964年7月東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て、93年『天使の卵―エンジェルス・エッグ』で第6回小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で第129回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優愛
83
「不器用を言い訳にしないだけだ」それが勝利の良い所だけど、時にはもう限界だって言わないとこうして全部が少しずつ歪み出す。言いたくないことまでぶつけて傷つけて後悔して、自分にまで嫌気が差して。遠距離恋愛においてはやっぱり会って話すことが一番の特効薬。中沢さんの登場が追い風となり途中はらはらしましたが本音で理解し合った末の二人は始めよりずっとずっと強くなったはず。薄紫が優しい空間で結ばれた勝利とかれんがこの上ない幸せを噛み締めて第一シーズンは完結。セカンドシーズンに続きます。2014/12/12
だまだまこ
60
シリーズ再読、10作目。ファーストシーズン一区切り。恋をして、相手を見つめているようで、向き合わされるのは自分のちっぽけさや醜い嫉妬心などなど。勝利の感情の浮き沈みから「恋の病」の辛さがガンガンと伝わってくる。共感もあったけど、そんな気持ちになったこともあったなぁ…と今は穏やかな気持ちで見守っていられたところに自分の環境の変化を感じる。一悶着あったが、めでたくかれんと勝利も結ばれてハッピーエンド。描かれる鴨川の自然が素敵。さてさてここから後半戦へ…!2人にはどうか幸せになってほしい。2020/05/18
とら
58
完結…但し一旦、である。これで終わりならそれでも良いっちゃ良いのだが…正直ここまでで10巻で、終わるタイミングとかも既に分からない状態で、この引き伸ばし感もだらだら感も全てを含めてのおいコーみたいな所が自分の中ではあるので、続きがあったらあったで構わない部分はある。ここで締めても締まらないと言う感じもある。でもここで締めても締めなくても、もうこの二人なら何とかやっていけるだろうと言う確信もある。もう大丈夫。この似た者同士二人ならば。何があろうと相手を頑なに信じていれば大丈夫。さてセカンドシーズンどうなる!2014/05/04
えりこんぐ
57
1stシーズン完結編。会えない毎日にモヤモヤするショーリ。ついつい疑ったり、相手を責めたり...。あの頃の切ない気持ちを、ほんの少し思い出した。最後は幸せな終わり方。ほんとにやっと! はー、良かった。【積読88】2020/10/12
ミホ
52
おいしいコーヒーのいれ方X。薄めの本であっという間に読めてしまうけれど、色々ありました、というわけでシーズン完結。すべてぶつけ合ってすべてきれいさっぱりに終わりではないのだろうと思っていました。近い関係性ではあるけれど他人ではあるしという事が沢山あって人間の良い面悪い面の感情が綯交ぜになって描かれてたのでなかなか面白く読みました。暗躍の方々の気持ちとかもね、誰もが本気だったからこそ足掻いてみたりと。これからもまた何かあるでしょうが結末がハッピーエンドであってほしい。そしてセカンドシーズンへ(笑)読むぜ!2018/09/26