内容説明
梁山泊は、威勝の田虎の叛乱が青蓮寺の策略だと看破した。近くの石梯山に魯達や鄒淵らを派遣し、切り崩しを図る。しかし、田虎に雇われた張清が、精強な傭兵部隊を率いて立ちはだかった。一方、官は梁山泊の完全殲滅を決意する。禁軍・地方軍・水軍あわせて20万の軍兵を投入してきた。兵力で圧倒的に劣る梁山泊に対し、空前の規模の攻撃がついに始まる。北方水滸、焦眉の十四巻。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年唐津生まれ。中央大学法学部卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞を、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞長編部門を、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞を受賞する。また、2004年『楊家将』で吉川英治文学賞、06年『水滸伝』(全19巻)で司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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W-G
278
爪牙の章などと仰々しいタイトルに反して、前半は牧歌的な趣すらあるのんびりムード。爪や牙どころか、様々なかたちで愛が描かれる。王英の扈三娘への愛、裴宣と孫二娘に芽生えつつある愛、張横と張平の親子愛などなど、どの逸話も快い温かさを感じるものばかり。史進の話も愛テーマのオチといった感じ。緩急つけて、後半は大きな戦が始まり、二竜山が危機に陥り、同時進行で石梯山と袁明暗殺も描かれる。新登場の張清がいい感じなのと、樊瑞の最期、ここにきて注目度アップの花英の弓、そして大砲馬鹿凌振と魏定国の会話シーンが個人的ハイライト。2021/12/12
しんごろ
172
官軍との全面戦争を前に、日頃の梁山泊での 豪傑達の日常生活を垣つつ、ある漢の豪快な遊びに笑い、このまま穏やかに平和ですごしてほしいなと思うけど、まだ志を目指す途中!ついに官軍との全面戦争突入に豪傑達の熱い戦いに引きこまれ目が離せなく、ほぼ一気読み。またありふれた日常生活を見たいから勝ってくれ~!熱い戦いの途中で終わってしまった…。続きが気になる爪牙の章でした(^^;)2017/11/08
ehirano1
163
壮絶な下ネタ水滸伝となってしまった本書。その下ネタの張本人は体中が龍のタトゥーを背負う史進隊長(因みに王進先生の門下生でもあります)。妓楼で敵襲にも係わらず腰を動かし続け、行為をお終わらせた後に素っ裸で敵を粉砕するも、杜興から「棒と一緒に、玉まで振り回しくさって」と上手いこと言われながら罵倒される件には笑い転げてしまいました。因みに史進隊長が受けた罰は人糞運びwww。2020/01/05
納間田 圭
133
臨戦体勢。いよいよ国全体が動き始める章。宋という国の底力と本当の圧力を感じる章。陸上に水上に…なんと官軍全軍で20万を超えるエゲツなさ。対して…梁山泊聚義庁での全体ミーティング。集うはオールキャスト…宋江、呉用、盧俊義、関勝、呼延灼、花栄、李俊、宣賛、朱武。で、梁山泊軍の作戦はコレ。1.とりあえず、いなしながら時を稼ぐ。2.とにかく守り抜く。3.できる限り敵を引っ張り回す。4.その後の作戦は決めてなく臨機応変。で…少ない犠牲で敵が退散してくれたら勝ちとすることが目的。う〜ん不安不安2022/01/26
Kircheis
98
★★★★☆ 禁軍が参戦してきて、遂に物語も佳境に! 燕順の奮闘が涙を誘う。2018/03/24
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- 和書
- 言霊の幸う国で