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集英社文庫
そっと耳を澄ませば

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  • サイズ 文庫判/ページ数 271p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784087461398
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

光を失った著者は、音を聞き情報を補ってきた。やがて、音自体が、不思議な世界を作りだしていると気づく。大地を渡る風の息吹、折々に表情をかえる雨音、干潟の生物の躍動…。自分なりの“音の目線”を掴んだ解放感は、これまで支えてくれた人々と繋がる音をも、温かく思い出させてくれた―。日常に潜む豊かな世界を瑞々しい感性でとらえたヒーリングエッセイ。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。

目次

雨の日の楽しみ
句会デビュー
帰雁の隊
季節の使者
大まじめな爆笑句
永遠の宿敵
モグラとの遭遇
味噌作り
春はおじさん
究極の履物〔ほか〕

著者等紹介

三宮麻由子[サンノミヤマユコ]
東京都生まれ。上智大学仏文科卒業後、同大学大学院博士前期課程修了。エッセイスト。『鳥が教えてくれた空』で第2回NHK学園「自分史文学賞」大賞受賞。『そっと耳を澄ませば』で第49回日本エッセイスト・クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひめか*

39
目が見えない作者。しかし、この本には、目が見えないことの辛さや悲しさは全く書かれていない。目が見えないおかげで、たくさんの温かい心と会うことができたと言っている。雨の音や花火の音、人間の温かさを体全体で感じとっているのだ。本も書けるし、読める。点字の楽譜を使ってピアノも弾ける。花火を見る(聴く)こともTVを見る(聴く)こともできる。目が見えないことの苦を乗り越え、とても前向きに明るく生活する作者が、美しいと思った。この世界には耳を澄ませば、たくさんの音、たくさんの人の温かい心があるのです。2014/03/04

のんき

30
とっても明るい感じのエッセイでした。著者は、目の不自由な方です。わたしは、目も見え、耳も聞こえます。でも、わたしは、毎日、何を見て、何を聞いていたのでしょう。鳥の声、風の音、虫の声、海の音。目の前に、すぐそばにあっても、聞いていませんでした。この本で、多くの音があることに気づかされました。特に、著者が、傘越しに手で雨粒を感じるという表現は、素敵でした。もっと耳を澄ましていろんな音を聞いてみようっと2017/04/04

Hong Kong @新潮部2025

21
”下世話なお話で恐縮だが、お風呂もトイレも電気なしで用がたりるので省エネにもつながる、といった具合だ。もっとも家族からは、真っ暗な中でザンブザンブと音がするのは気味が悪いから電気をつけなさいとよく叱られた。”とか、辞書を引く家族団らんの時間の日常が描かれていたりです。読んでいて楽しい、苦労話ではなく、明るい麻由子さんを作っていったのは、家族であり、ひたむきな彼女自身なんですね。語彙、表現が素晴らしい本です。2020/12/19

UK

15
凄い。初めて触れる表現に何度も鳥肌が立つ。著者は幼児期に視覚を失っている。が、彼女の豊かで鋭い感性は、川のせせらぎに耳を傾けて両岸の風景から川底まで感じ取る。夜空を見上げて星や月の音を聴き、小鳥のさえずりの響きで空の深さを味わい、闇の圧力を嗅ぎ分ける。その表現たるや全く独創的で驚嘆してしまう。夢中になって読んでいて、文章がごく自然に流れ込んでくることにふと気づく。この人、音に鋭いから音読しても綺麗な文章だからなんだ。黙読していても実は頭の中で発音してる、と初めて気づかされた。ご馳走様でした。(-人-) 2014/03/24

ぶんこ

8
全盲になった三宮さんのエッセイでは、音のもたらす働きに驚かされました。目がみえない方は、触覚が発達していて、白杖の先の感覚で歩いておられると思い込んでいました。それが、雨の日、傘にあたる雨の音によって、周囲の音が消えて、歩行も危うくなると知って驚きました。周囲の音を聞き分け、物や風が当たって起こる振動、空気の流れで、自分の状況を判断していたとは。この本からは、盲目の目撃者という本を知り、図書館に予約しました。

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