内容説明
馬桂は愛娘を殺され、悲嘆にくれていた。青蓮寺は彼女を騙して梁山泊への密偵に仕立て上げ、ひそかに恐るべき謀略を進めていく。一方、宋江は、民の苦しみと官の汚濁を自らの眼で見るため、命を懸けて過酷な旅を続けていた。その途中で、純真さゆえに人を殺してしまった李逵と出会う。李逵は次第に宋江に惹かれていくが、そこに思わぬ悲劇が待ち受けていた。北方水滸、波乱の第四巻。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年唐津生まれ。中央大学法学部卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞を、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞長編部門を、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞を、2006年『水滸伝』(全19巻)で司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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W-G
309
宋江さんの世直し紀行スタート。これが思いのほか面白く、今まで以上のスピードで読み進めた。ここに来て宋江の魅力が発揮され、公淑や李逵との一幕では流石の度量を示す。武松はバビル二世に対するポセイドンのような立ち位置で、人間味を感じさせない無敵さ。李富が馬桂に魔の手を伸ばす…つもりがメロメロに蕩かされてしまう。最初、勝手に馬桂はもっと年寄りだと想像していたので、マジか李富さん!とびっくりした。最後の方で李逵登場。北方氏の、こういうちょっと抜けた豪傑の描き方は好き。その他、湯隆と白勝の語らいシーンがお気に入り。2021/11/10
しんごろ
209
雷横、ついに叛乱に加わる!雷横のシーンに思わず涙ぐみました(T_T)李俊も叛乱を起こす!梁山泊では湯隆が、友を持つ!好きな豪傑の一人、李逵が登場(^^)北方水滸伝では憎めないキャラクターですね(^-^)宋江、楊志に青蓮時が忍びよる~!再読なのに、何とか逃げきって~と、また物語に入りこんでしまった(^^;)そして李富と馬桂のふたりが、なぜか切なさを感じる。晁蓋が、宋江の剣を作るシーンは、晁蓋の優しさと男の器の大きさを感じ、さすが梁山泊の頭領だなと思いますね(^-^)2016/12/12
ehirano1
168
#表紙裏の人物が誰だか判明するまでにえらく時間を要す。#登場人物増加はもうほとんどドSレベル。#青蓮寺の李富、絶倫であることが判明www。#癒しを持つことは人生が豊かであるということ。#宋江と公淑のやり取りは涙なしには読めない。#青蓮寺の人材も梁山泊に劣らずキャラが立っていて興味深いです(梁山泊に比べて登場人物が少ないので余計に印象に残ってしまいます)。2019/12/14
納間田 圭
122
大地に横たわる長江と黄河。この北宋時代…塩が貴重。塩の道を支配する者が…財を得た。そんな影で捌く闇塩が…梁山泊の叛乱を支える収入源。国も…歳をとり老いるという。この章では…いわゆる官軍側に焦点が当てられる。盛り上がりを見せる梁山泊側に…対抗する人間臭い官軍の面々。守るべき価値のないものと心の奥で分かっていても…守らざるを得ない官軍指揮官の姿に人間味を感じてしまう…僕がいた。読みどころは…黒旋風 李逵vs人喰い虎。怖いのは…再度女として目覚めた馬桂の誤解からの復讐心。心配なのは…楊志の妻と息子(楊令)の今後2021/09/15
Kircheis
122
★★★★★ 李逵が登場。他の豪傑とは異質なキャラで何か気になる。 冷徹な李富がこんなあっさり女に惚れる男とは思わなかった。2018/03/14