出版社内容情報
決断力のない自分を変えたい高1の堅書直実は、この夏、世界がひっくり返る衝撃的な経験と、決定的な「恋」をする。圧倒的迫力と感動が押し寄せるSF青春小説。2019年9月公開のアニメ映画の原作。
内容説明
「お前は記録世界の住人だ」本好きで内気な男子高校生、直実は、現れた「未来の自分」ナオミから衝撃の事実を知らされる。世界の記録に刻まれていたのは未来の恋人・瑠璃の存在と、彼女が事故死する運命だった。悲劇の記録を書き換えるため、協力する二人。しかし、未来を変える代償は小さくなかった。世界が転回する衝撃。初めての感動があなたを襲う。新時代の到来を告げる青春恋愛SF小説。
著者等紹介
野〓まど[ノザキマド]
東京都生まれ。麻布大学獣医学部卒業。2009年『(映)アムリタ』で第1回「メディアワークス文庫賞」を受賞。同年12月、同作がメディアワークス文庫の創刊ラインナップの1冊として刊行されデビュー。15年『know』が第34回日本SF大賞にノミネート。独特の世界観と緻密な描写力で、今もっとも注目を集める作家のひとり。映画の脚本も手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そる
363
軽めのSFというかファンタジーというか、仮想現実世界でなんでもできるので、とてもアニメ映画に向いている、それを見越して書いた作品だと思う。好きな世界ではあるけど、「未来は付き合うことになってるから」と言われて好きになれる?簡単に受け入れるところも感情の動きの表現も少し弱くてやや感情移入しにくかった。最後の展開は怒涛ですごい。ちょっとややこしいけど。ラスト2ページどうなったんだ?「「その感覚」(略)「私もわかる気がします」(略)けれど少なくとも、それは。一六年の人生の中で、一番幸せな気持ちだったと思う。」2020/12/23
mae.dat
268
最初は地味夫くんである堅書直実くんの青春恋愛小説かなと思ったのね。誰とも関われず、図書館か本屋に通う日々の。クラスメートを心の中で呼ぶ時、いつもフルネームなのよ。それが、他人との距離感を表していて好き哉と思ったよ。そしたらさ、SFに変わっちゃって。あら、そうなの? と、思う間もなく冒険物としての要素が加わって。初めは穏やかに進行していたのに、徐々に加速して行き、後半は凄いスピード感で話が展開するの。中盤のスピードが丁度良いなぁ。システムの介入は、人型の何かを介す仕組みなのね( ໊๑˃̶͈⌔˂̶͈)。2023/04/11
海猫
239
男子高校生・直実のもとに「未来の自分」ナオミが現れる。直実とヒロイン・瑠璃を付き合わせることと、彼女の事故死を避けるのが目的。年齢の違う同一人物の会話は可笑しみがある。直実と瑠璃が仲良くなる過程は青春小説的な甘酸っぱさ。本や古本の関わりで、距離が近づくのがグッド。ここまでで十分面白いが、後半はSF作家ならではの奇想とイマジネーションが炸裂。世界が変貌していく様は、アニメ映画がどう映像的に表現するかぜひ見たいところ。ラストがどう着地するか?が予想できず、けっこうハラハラした。来月公開のアニメ映画も期待大。2019/08/18
さてさて
235
『自分のことを全部知っているという、未来の自分。だとしたら、知っていてくれるのだろうか。高校に入ったばかりの頃の、この苦悩も。自分を変えようとして、何も変えられない僕の、この苦しみも』。『決められない人間だ』と自認する高校生の日常を送る主人公の直実。この作品には、そんな直実が『未来の自分』と名乗るナオミと出会った先の物語が描かれていました。『京都』を舞台にした物語が楽しめるこの作品。『未来の自分』と出会った直実の成長を描く物語とも言えるこの作品。小説の上に登場人物たちの姿が鮮やかに浮かび上がる作品でした。2025/05/06
へくとぱすかる
213
静かに幕が開く。ひとりの高校生の日常に、不思議な人物? が現れ、ちょっと信じがたい生活が始まる。そこまで読んで、物語が単純なまま終わるものと考えてしまった。さぁ、後半そこから作品が暴走して一変する。ところで京都が舞台になると、なぜか森見登美彦の作風みたいな雰囲気になるんだなぁ。アイディアがすごいので、どのように決着をつけるのか、心配になるぐらいでしたが、よかったです。きちんと伏線を回収するところがグッド。2019/12/05
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